大学入試の共通テストの英語で、英検などの外部試験を2020年から導入するというお話が突如中止になりました。これは思いっきり関係各所に迷惑が掛かったでしょうね。わが子が通う塾のスタッフさんも、用意した外部試験対策クラスなどが全部水の泡となるため、内部はてんやわんやですとおっしゃっていました。対策本などを出した出版社などは、もう…本当にご苦労様です(涙)。
そもそも今の入試では日本人の英語力は上がらないーっ、ということで外部テストが導入されることになったのですが、海外からも日本人の英語力の低さが以下記事で思いっきり心配されております。
この記事によれば、スイスに拠点を置くEF(イーエフ)が行った英語テストで、日本はなんと4年連続で英語力が低いと認定され、アルバニア、ベトナムより下位だったとのこと。対照的に、これまで低グループの仲間だった中国は、中グループにランクアップしたということです。これはどうも、中国の英語教育がコミュニケーションに重きを置くようになったことが影響しているらしいです。入試でも、ライティング、スピーキングセクションがしっかりあり、受け身のリーディングとリスニングしかない日本の入試とは違うとのこと。
EFのランキングは、無料オンラインテストで世界の230万人の受験者の結果をもとにしたものです。TOEICでおなじみの米ETSのランキングでも、日本は49か国中44位だったので、まあ妥当な結果と見られております。
日本の政治家もこの現状にはヤバいと思っていたようで、民間試験導入で英語力アップを図ろうとしたみたいだと記事は述べています。受験生に公平ではないという批判を浴びて流れてしまい、2024年から新テストのシステムに移行するという発表になったのですが、スピーキング&ライティングテストを国でやると莫大な費用が発生しそうだとのこと。お隣韓国でも同様の試みが、コストと教師の不足で、頓挫したと解説しています。
記事の中で、慶応大学の中室牧子教授は、「世界は変わらず、むしろ日本の教育システムがかわる必要があることを日本は認識し始めた」と述べており、この問題は政治的に敏感な問題ではあるものの、立ち消えることはないとしています。
民間の英語教育者は、センター試験のために勉強している学生よりも、民間テストの勉強をしている学生のほうが英語によるコミュニケーションスキルを伸ばしていると話しています。コミュニケーションを基礎にした学習のほうが大切ということは皆認めるところですが、今の状況では中国に追い付くのは何十年もかかりそうというご意見でした。
私は完璧な英語である必要はないと思いますが、ある程度会話やメールでの読み書きができないと今後ますますビジネスの世界で置いて行かれると思っています。東南アジアでは、タクシーの運転手さんだって、一生懸命英語を使って客とコミュニケーションしてきますので。英語は仕事のツール、飯のタネとまずは割り切りましょう。収入直結となれば、みんなもっと必至で学びますよね。
ということで、政府も2024年と言わず早めになんとかしないと、日本の未来は開けませんよ。