一応日本も移民受け入れに舵を切ってるんですが、相変わらず技能実習生とか学生ビザの人々を使って、人手不足を補っている感じですね。いっそのこと、ちゃんと単純労働でもビザ出して、グレイな受け入れをやめればいいのにって思います。だけど、移民が入ると賃金の低下につながって、日本人の賃金が上がらない、インフレますます遠ざかるだろうっていうご意見もあるようです。
ところがこんなことを言ってる人がいるんですね。
"There is no reason to fear low-skilled migration."
— Channel 4 News (@Channel4News) November 13, 2019
Nobel prize-winning economist Esther Duflo says "the effect of low-skilled migration on low-skilled wages is zero". pic.twitter.com/VILxSCtBsO
ノーベル賞を受賞したエスター・デュフロさんというフランス人経済学者です。今はマサチューセッツ工科大学の教授だとのこと。この人が、低スキルの移民が低スキルの(仕事の)賃金に与える影響はゼロだっといってるんです。少ないじゃないんです、ゼロなんです。
その昔、キューバから大量の移民がマイアミに流れ込んできたのですが、当時バークレーの研究者が調べたところ、他の都市と低スキル労働の賃金は変わらなかったとのことです。1960年代になって移民に対する抗議が増え、ケネディ大統領がカリフォルニアの農場で一時的に働いていた移民労働者を送り返したらしいんですが、その時も賃金には変化がみられなかったとのこと。そのうえ、移民がいなくなった後、カリフォルニアの農場では機械化を進め、地元民を雇用しなかったそうです。農家は地元民が移民がやっていた仕事をやるはずがないと知っていたからです。
デュフロさんは、賃金は下がらないという事実は、様々な証拠によって明らかで、低賃金労働をする移民を怖がる必要は全くないと主張しています。「地元民の賃金に影響が出ても移民を受け入れてあげないと」という倫理的な議論でもなく、単に経済的影響は少ないのが事実、ということです。
であれば、牡蠣の殻剥き工場でもレタス農家でも、堂々とそれ専門の移民の人に来てもらえばいいわけですよね。AIにお任せする分野も増えてきましたが、やはりまだ人力が必要なところは多いです。少子高齢化は着々と進んでいますので、中途半端な移民受け入れではかえって誰も来てくれない、それは確かだと思いますね。世界中で先進国は少子化ですので、移民の奪い合いになる前に、わが国も頭の切り替えが必要だと感じます。