UK9報道部

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日本に生まれてよかった?アメリカの医療費の厳しい現実

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国の借金ホニャホニャ兆円、年金制度は破綻か?などと常に言われているわが国ですが、医療費も過去最高になっているそうです。高齢化ですから当たり前と言えば当たり前かもですね。

www.nippon.com

こちらの記事によりますと、2017年度医療機関に支払われた概算医療費は前年度から9500億円増の42兆2000億円となり、過去最高となりました。2016年度はマイナスに転じてたんですが、やっぱり膨張トレンドは変わらずと。がん治療薬の「オプシーボ」など、高額薬剤の増加が医療費増加の一因となっているそうです。

 

医療費の増加分の70%超は、75歳以上の医療費の増加に起因していると書かれています。今後団塊の世代後期高齢者となり、ますます医療費増に拍車がかかりそう、と暗くなる話題です。

 

考えてみれば我が家も結構な保険料を毎月払っておりまして、「あんまり病院行かないのにもったいないなあ」なんて考えてしまいます。こんなに払ってんだから、ちょっとしたことでも元を取ろうと病院行っちゃう人もいるらしいですから(笑)。

 

実は先日アメリカから最近引っ越してきたアメリカ人男性2名と話す機会がありました。2人の奥さんは日本人で、いろいろ事情があり一時的に日本に住んでるようです。

 

そんな彼らが日本に来てよかったと感じるのは、「健康保険」だそう。大手を振って病院いけるのがなんとも素晴らしいと。「うちなんか保険料結構払い損な感じなんだけど」と私の意見を述べたところ、「いくら払ってんだ」と言うので、家族3人で月〇万円(うちは国保なので高め)と申し上げたところ、「安いよね、アメリカじゃ少なくとも十数万円だから」っていうんです。ええっ、そんな高いんですね。しかも、日本と違っていろんな制約があって、病院の隣に住んでてもその病院は行けず、保険会社から指定されたところじゃなきゃダメってこともあるらしいです。

 

でも自由の国アメリカだから自己責任でそういう構造なんでしょって言ったら、もうそういう時代は終わってると。一見社会主義的な日本の国民皆保険制度なんですが、実にうらやましいとのことでした。一人は次の大統領選はエリザベス・ウォレンに入れたいなといってましたので、リベラル左寄り民主党系なんでしょうね。また共和党支持者だと考えは違うかもです。

 

そんなネタを話し合ったあと、アメリカの医療の厳しさを教えてくれる記事を見つけました。

www.insider.com

 

ソースはAmerican Journal of Medicineという学術誌らしいですが、なんと、42%の新規がん患者が治療のために2年で貯金を使い果たすということです。2000年から2012年までに950万人のがん患者を追跡した研究で、62%のがん患者が治療が原因で借金を抱え、55%は最低でも1万ドル(120万円)の借金があるとか。

 

たとえ保険に入っていても、治療費の全額カバーは無理。〇ドルまでは保険でカバーできませんよ、というdeductiblesというのがアメリカの保険にはあります。また会社員とかですと雇用主と雇用される側が保険の掛け金を共同で支払うのですが、その負担分が多額なこともしばしばで、がん患者は請求書の山に悩まされているということです。さらに40~85%のがん患者が治療のために離職を余儀なくされるとか。これが経済的負担につながっているということでした。

 

日本だと健康保険があれば、支払いの上限とかはありますよね。入院費とか治療中の生活費なんかの問題はあるとは思いますが、アメリカよりはずっと恵まれているなと感じます。お年寄りの湿布から難病の高額薬剤まで大盤振る舞いの保険制度ですので、今後皆が身を切る改革は必要でしょうが、何とか質を落としつつも続いてほしいとは思います。ということで、私も保険料に文句いえないのかも…。