ゴーンさん、勝手に出ていってしまったようです。今年最後の大ニュースですね。
詳細はこちら。
プライベートジェットでベイルートに到着し、入国手続きでは別の名前を使っていたということなので、正規の方法で日本を出国していなかったようです。私のツイッターに流れてきた情報にはこんなのもありました。
Lebanese news outlets saying Carlos Ghosn was smuggled out of Japan in a box designed for transporting musical instruments, this story is incredible https://t.co/5hxGBUSZhY
— Tom Gara (@tomgara) 2019年12月31日
レバノンの報道では、ゴーン氏は楽器輸送用の箱の中に隠れて秘密で出国したというのもあるようです。真偽のほどはもちろんわかりませんが。
NHKによれば、ゴーン氏はブラジル生まれですが、6歳の時にレバノンに移住し、高校を卒業。フランス、ブラジルのほかにレバノン国籍も持っているということです。日産時代にもレバノンとの関係は深く、地元の成功者=ヒーローと認識され尊敬を集めていたようです。ゴーン氏が逮捕された昨年には、同国の外務省が、公正な裁判を受けられることを保証するため、ゴーン氏の味方になると発表していました。
で、レバノンってどういう国?と思ったのですが、CNNが報じています。
ゴーン氏が逮捕されたとき、「ついに自動車業界のレジェンドも、腐敗で評判の小国(=レバノン)の大統領になる資格ができた」とレバノン中でジョークになっていたそうです。レバノンはTransparency Internationalという団体が発表する世界腐敗指数で、180ヵ国中なんと143位ということです。
とは言え、ゴーン氏逮捕のニュースはレバノン国民にとっては驚きで、彼が日産を再生させたように、大統領になって国を再生させてもらいたいという期待の声は大きかったらしく、大統領の任期切れの時期になると、常に次の候補として名前は上がっていたということです。本人にその気はなかったようですが。
実は、疑惑の不動産購入も含め、最近になってゴーン氏はレバノンに家を買ったり、ワイナリーに投資するなどしています。それまでは数十年レバノンとの強いつながりは見られなかったとのことなので、富と名声を手に入れた後の急接近でしょうか。レバノン政府もゴーン氏に敬意を表しており、ゴーン氏は同国の切手にまでなっているとのこと。NHKの記事でも、ゴーン氏とレバノンの親密な関係が分かりますね。
ということで、今回の日本脱出にはレバノンが噛んでいるのではという気がしてきますね。偽のパスポートか、レバノン政府が発行した外交官パスポートを使ったのではないかと見ているメディアなどもあります。
ゴーン氏は日本では公正な裁判が受けられないから逃れてきたと言っていますが、海外記事のコメント欄などを見ていると、「金持ちという特権があればこそできたこと」という皮肉もかなり見受けられます。私は日本の司法制度には多くの問題があることは否定しません。しかし不正な金の絡んだ事件で訴えられているゴーン氏が、これまた金の力でレバノンに逃亡して裁判もぶっちぎることができるのであれば、これは法と市民社会への挑戦だと思います。いくら日本の制度を批判する海外でも、今回の行為は手放しで褒められるものではないでしょう。
これからメディアに出るとゴーン氏は言ってますので、海外メディアはその点を厳しく追及してもらいたいものです。年末ということで事件は謎のままですが、今後の報道から目が離せないですね。