失業率が低くて成長も続いているにも関わらず、アメリカ経済はどうなるんだと心配する人がいっぱいいるそうです。金融政策も財政政策も限界に来ていて、もう政府のやれることはあまりないのではと、経済学者のディーン・ベーカーさんがおっしゃってます。
で、最悪の結果として、対GDP比で債務残高250%を超える(昨年末は237%ぐらいだったようですが)日本みたいになるかもよ、なんて言われているらしいですが、ベーカーさんはこれってそんなに恐ろしいことでもないみたいと言っているんですね。一人当たりでみると1990年以来日本経済は年平均1.4%の成長で、壊滅的に悪いとは言えないと。
さらに、その間の年間平均労働時間は16%も減少しており、日本の労働者はバブル崩壊前よりずっと余暇を楽しんでいるはずだと。アメリカでは同じ期間に3%しか労働時間は減ってないそうです。
日本の国の負債に関しても、今年の借金の利払いはGDPの0.005%になるということです。この率をアメリカに当てはめれば利払いはたったの約12億ドルぽっちということになります。今年のアメリカの利払いは2000億ドルを超えると言われているそうなので、驚きの安さですね。ということで、そんな恐ろしいお話でもないと。アメリカ経済が景気後退に入ったとしても、大型財政出動の障害は政治であり、経済的制約ではないと述べられています。
この記事を読んだ経済学者のポール・クルーグマンさんがツイートしています。
Dean Baker goes after people who claim that Japan has suffered terribly from its debt burden, arguing that Japan has actually done pretty well. But he's wrong: Japan has done better than he says 1/ https://t.co/v8JdUXUyZN
— Paul Krugman (@paulkrugman) 2020年1月10日
ディーン・ベーカーは実は日本は結構うまくやってきたと言っているけど、彼が言う以上にうまくやってるよ、ということなんです。ベーカー氏は一人当たりのGDPで見ているけど、実際日本は高齢化だから、労働人口一人当たりのGDPを見ないとだめということです。それで見ると、日本の成長はほぼアメリカ同じぐらいだと。
さらに、日本は大量の失業というのも避けてこられたし、アメリカより寿命も長いと。そういった意味では、最近の日本は教訓というよりもお手本に見えるということです。すべてのエビデンスから問題ではないとわかるのに、負債がひどい問題だと思っている人には、日本のパフォーマンスは悪く見えるんだと、クルーグマンは述べています
これまで国の借金はいかーん、と刷り込まれてきたのですが、最近は大丈夫という意見もよく聞きます。むしろ消費税アップのほうが悪玉として批判されてますね。私経済の専門家ではないので何とも言えないんですが、どうなんでしょう。起死回生のアベノミクスは本当にありがたかったのですが、結果として中途半端でした。安倍さんに変わってこうやれば大丈夫っていう力強い次のリーダーが出てほしいもんですね。