UK9報道部

良質な「コタツ記事」を目指します。海外ニュースがメイン。

マスクの効果ほぼない。新型肺炎感染拡大で、専門家がコメント

f:id:UK9:20200201174940j:plain

Darko StojanovicによるPixabayからの画像


中国で発生した新型コロナウィルスですが、日本でもすでに十数人感染者が出ています。感染がぽつぽつ報道され始め、先週マスクを1箱買っておいた私。その後どんどん感染者が出てきたので、「いかん、もっと買い置きしよう」と思ってドラッグストアに走ったところ、すでにどの店も品切れということでした。みんな考えることは同じです(涙)。でも1箱あってよかったと自分を慰めたのでした。

 

しかしどんどん感染が広がればこの1箱では足りないと思うのですが、実はマスクの効果はあまり期待しないほうがいいというのが、海外専門家のご意見のようです。

www.cbsnews.com

こちら米CBSの報道では、アメリカ疾病予防管理センターでは、マスクの着用を推奨するのは、すでに症状が出て感染している人、感染の疑いがある人、感染者と生活を共にしたりケアをしている人ということで、一般の人にはお薦めしないとのことでした。より有効なのはまめな手洗いということです。水と石鹸で20秒以上よくよく手を洗うのが基本。できないなら、アルコールを60%以上含む手指の除菌製品を使えとのことでした。

 

マスクをしたほうが呼吸器系感染症には効果がある、という実験結果もあるらしいのですが、その際なんと実験の参加者のほぼ半分が、教えられたにもかかわらずきちんとマスクを付けられていなかったとのこと。付け方が間違っていて、無駄になっちゃってる人もいっぱいいるということですね。私もかも…。

 

www.theguardian.com

お次はイギリスのガーディアン紙ですが、マスクの効果はこちらも議論が必要なところだということです。インタビューを受けた大学教授は、そもそも日本のドラッグストアなどでも売られているサージカルマスクは、病原菌などから着用している人を守るのではなく、手術台の上の患者の開いた傷から飛び散った水滴などをよけるためのものだと説明しています。

 

さらに、イギリスにおいては、サージカルマスクと呼ぶための規定はなく、勝手にだれでもその名を冠して売ってもよいとのこと。フィルターの透過性レベルにも基準はないようです。同じくインタビューを受けた微生物学者によれば、マスクを隙間なく装着することはできず、空中にある粒子を必ずしもシャットアウトすることはできないということでした。マスクをしていれば、ウィルスで汚染されたところをさわった手指で顔や鼻を触らないので、その分の効果はあるということです。

 

ガーディアン紙は、マスクがアジアでは非常に受け入れられいるとし、特に日本での人気に興味を示しています。「なぜ日本人はマスクをするのか」という論文を書いた日本人学者によれば、実は1918年のスペイン風邪流行の際に、世界中でマスク着用が呼びかけられたらしいです。しかし、西洋、特にアメリカなどでは、市民の抵抗が激しく、リベラリズムイデオロギーや個人の自由に反するとされたそうです。日本では近代化を目指す政府の後押しもあり、抵抗どころか受け入れられ、1960年代になると花粉症の人の使用へとつながり、どんどん広がっていったようです。今や日本ではマスクをするのは他者への心遣いと考えられ、風邪をひいたらマスクをするというのがエチケットとなっていると説明されています。

 

また、マスクは「危機における儀式」とも考えられ、コントロールできないことをコントロールしている気持ちを提供するものだとこの日本人学者は述べています。「インフルは自然の力によるもの。かかるときはかかるんだけど、マスクをするという対策をしていることで、少なくとも自己管理している気持ちになれる」ということでした。

 

ということで結論は、「マスクは自分や家族が感染したときは着用。普段はつけていない人との差はあまりないので、ドラッグストアで手に入らなかったからといって悲観することはなく、手洗いをまめにしましょう」でした。