UK9報道部

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新型コロナのピーク迫る。ニューヨークの病院の覚悟

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Silas Camargo SilãoによるPixabayからの画像

アメリカの新型コロナ感染、深刻になってきました。

@AviSchiffmannが毎日ツイッターで感染状況を報告してくれておりますが、3月23日彼が発表してくれたアメリカの感染者は合計3万2346人、死者は415人となっております。

 

そんな中、ニューヨーク・プレスビティリアン病院の外科部長が同僚職員に送った手紙をニュースサイト、ProPublicaの副編集長がツイートしていたのでご紹介します。

ツイート投稿時でニューヨーク・プレスビティリアン病院NYP)では300人ほどの新型コロナ抗原陽性入院患者がおり、200人がテストの結果を待っています。1日で50%増です。この外科部長のもう一つの職場、コロンビア大学アーヴィング医療センターの陽性入院患者は37人から59人に一晩で増加。人工呼吸器が必要なのは10人から12人になりました。予想では、新型コロナのピークは22~30日以内と思われ、その際には700~934の集中治療室用ベッドが必要になります。控えめな予想でも他のキャパシティを合わせても、ICUの収容能力を超えます。医療資源の限界を考慮し、手術の予定も減らしているそうです。

 

医療従事者用の衛生用品も足りておらず、N95マスクはすでにほとんど在庫なし。NYP関係者の努力で非N95マスク15万枚を手に入れましたが、ピーク時ではわずか2日分の量にしかならないそうです。医療従事者の心の安定のため、職員には非N95マスクを1枚ずつ配るという決定をしたそうです。使うのは自分に症状が出たときとのこと。そのときまで大事に取っておいてと指示しています(涙)。

 

あとで脅威を過大評価し過ぎだったと謝まるぐらいのほうがよいと外科部長は慎重に準備をしているようです。そこまでしないと、次の数か月はホラーになってしまうからと。

 

1925年にジフテリアの抗毒素を載せた犬ぞりを引いてアラスカの町ノームに運んだ名犬バルトの物語に例え、今自分たちができるのは「そりに荷物を積み込み、そりの紐をチェックし、バルトに餌をやって、前に進むこと」と言っています。荷物はノームに届けなけらばならないと述べ、「家族も友達もご近所さんも、周囲はみんな怯え、動かず、仕事はなくなり、自分が大切な存在だと感じていることを忘れないで。だけど医療従事者ならだれでも、行動する喜びをいまだに享受している。これは特権なのだ!だから進むんだ」で締めくくっています。

 

副編集長はこのツイートでとても心配だとしていますが、やはり医療関係者は極限の状態を想定しているのでしょうね。同時にアメリカ人の強い精神力のようなものも感じます。なんとかがんばって、乗り切ってほしい、切にそう願います。