UK9報道部

良質な「コタツ記事」を目指します。海外ニュースがメイン。

うーん、なんか違うんだよなぁ。放たれたメーガン砲に思うこと

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息子が大学生になることが決まりました!

ということでこの数か月忙しく、またまたブログがおろそかに。

そうしている間に、世間を騒がせる大ニュースが海外でおきていたようです。

 

メーガン妃の米CBSのインタビュー特番でした。妃が英王室の闇ともいえる部分を大暴露。イギリス、アメリカ、そして皇室を抱える日本でも様々な反応があるようですが、イギリスはメーガン批判、アメリカでは王室批判が多いようです。

 

日本の記事でなるほどなあと思ったのは、まずこれ。

bunshun.jp

同じ「砲」仲間、文春さんに掲載されたご意見です。メーガン妃は、自殺願望からアーチーの肌の色を気にする王族、英メディアのプライバシーの侵害まで、ありとあらゆる今日の社会問題につながるトピックで視聴者に語り掛けたようで、これは今後の活動を見据えたプロモ活動だと述べられています。この見方は私も同じです。

 

まず英王室は、ゴシップやスキャンダルには口を閉ざすというルールがありますので、王室として、メディアに出て強力に反論することはほぼないと思われます。そこはメーガン妃も分かっていると思いますので、ちょっとずるいと私は感じますね。

 

この記事の筆者が書かれているように、自殺したくなるまで追い込まれていたメーガン妃に視聴者は同情するし、ブラックライブズマターからの人種差別問題で人々の目が厳しくなっているところに、アーチーの「肌の色」という「人種」カードを切ったというのはかなりの戦略だと思います。アメリカでは完全にメーガン妃側が多いのは理解。ネットフリックスやスポティファイとの大型契約がありますので、古い体制と戦い王子を解放した女神としてのポジションはいい感じです。

 

そして次になるほどと思ったのがこれ。

toyokeizai.net

ロンドン在住の結構ご年配のジャーナリストの記事で、インタビュー前のものですね。半分イギリス人になられているような方なので、王室寄りと感じます。イギリスでは王子夫妻はかなり不人気ということで、2人の結婚式に涙した人にはその後のメーガンの「わがまま」ぶりに熱が冷めてしまったということです。こちらの記事も、王室が反撃に出られないのをいいことに、内情を暴露したメーガン妃への不信感が現れています。

 

頷いてしまったのが最後のところ。「プライバシーを大切にしたい」とさまざまなことで国民との共有を拒んだわりには、ネットフリックス、スポティファイや影響力の大きいオプラ・ウィンフリーの番組に出演しているし、第2子妊娠のニュースなど自分たちのプライバシーを選択的に小出しにしているというのは、確かに矛盾を感じますね。そっとしてほしいなら、メディアに出ず、コツコツと慈善活動をすべきという考えも分かります。王室からの資金はもらえなくなっているようなので、ここでビジネス魂が先に出ちゃったんでしょうね。

 

という感じで気が付くと私はかなりの反メーガンになっていました(笑)。メーガン妃は普通にいれば、賢い進歩的な女性なんでしょうが、文化の違いを感じますね。日本だと皇室に嫁ぐなんてとんでもない、自由ないじゃん、と思うのが普通の女性だと思います。皇后さまも相当なご苦労があったのはみんな知ってますしね。CNNが「プリンセス幻想」みたいなことを言ってましたが、アメリカだと民間人の王室や皇室入りは名誉もあって玉の輿感満載。私らのように天皇は尊敬するけど個人的には嫁入りパスっていう感覚がないんでしょうね。

 

そもそも、「王子と結婚で、私はお姫様。でも、私は自分の意思を持った一人の女性だから、古い王室の改革は必至だわ。私が新風を吹き込む」みたいな野望があったのが、勘違いだった気がしますね。王室にとっては伝統と国民のために奉仕がコアなのであって、個人の自由は控えめであるべき。改革があってもゆっくりが無難なのでしょう。その辺見誤って王室に入ってしまったのがメーガン妃。そしてそれをちゃんと理解させなかった、または自分もあんまり理解していなかったのがハリー王子かも。ただ結果として、最初からハリーが王室を飛び出した後結婚していれば、夫妻の今のようなセレブ扱いはほぼなかったでしょうから、作戦としては正しかったかもしれません。

 

最後に、アメリカ人でも、かなりエセックス公夫妻の行動を疑問視する意見もありました。

www.washingtonpost.com

筆者はピュリッツァー賞も受賞したコラムニストのようです。まず、王室に入ることがどんなことだったのか結婚したときには分からなかったと、インタビューでメーガン妃が言っていたことについて、馬鹿げていると述べています。ハリウッド女優だったのに映画も見ていなかったの?と辛らつ。

 

さらに王室の誰かがハリー王子にアーチーの肌の色を気にしていると話した件でも、王子が本当にメーガン妃のことを気遣っていたならそんな話は彼女にしない方がよかったと述べています。それどころか、世界でもっとも有名なニュースキャスターに話したのは、すでに王室を離れた2人がCBSに800万ドルをオプラのプロダクションに支払わせるためだったと。うーん、やっぱり金は絡むなと…。

 

記事の筆者にとって、メーガン妃はわがまま放題であり、いまだに1850年代に生きる家族の犠牲者でもあるということ。反逆者は歓迎だが、与えられたものに文句を言うようではダメ。リッチな王族の生活を送るための苦労はともかく、4500万ドルの結婚式には個人的な犠牲が払われることを分かってくれていてもよかったのに。結婚するなら配偶者の家族の習慣や歴史に妥協しなければならない。ウィンザー家が子孫に課す代償はメーガン妃にとって中世的なものに感じられたに違いない、としています。

 

この記事は最後の段落が良かったですね。このインタビュー前に、CBSの「60ミニッツ」ではパンデミックの影響で職を失いテントや車で生活し、かろうじて生き延びているアメリカ人の話が紹介されていたとし、多くの低所得者層が苦しんでいると指摘。こんなときに公爵夫妻に同情することはできず、CBSが2人の甘やかされた王族に寛大さを見せたことに、違うだろう感を感じているようです。

 

私もこんなときに、家族の不和で世間を賑わすお二人、なんか違うんだよなぁと思ってしまうんですよね。特にご高齢の女王にこれ以上負担をかけないでほしいと思います。