UK9報道部

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お金で名門大学に。裏口入学スキャンダルが示した米学歴社会の闇

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Andrew TanによるPixabayからの画像

ずっと最近「ハウス・オブ・カーズ」というネットフリックスドラマを見てました。主役のケビン・スペイシーが未成年者への性行為かなんかのスキャンダルで降板したやつ。友達に、最後グダグダらしいよ、って言われたにも関わらず見ており、それなりに面白かったんですが、シーズン6が突然地獄でした。ものすごい変な展開の連続で、よく最後まで私見たなと思います(笑)。主役って大事。

 

で、次に見たのがこれ。「Operation Varsity Blues」というドキュメンタリーです。「バーシティ・ブルース作戦。裏口入学スキャンダル」という邦題ですね。予告編はこちら。

youtu.be

 

実は前に仕事のネタ探しをしていたときに、アメリカの名門校に有名女優や資産家の子供たちが裏口入学をしていて、それを一手に引き受けてた人がいたというニュースを読んでいました。その話ですね。2019年に発覚し、50人が起訴され多くが有罪になった大事件でした。

 

日本だと裏口入学というんですが、この番組では裏口入学と横口(Side Door)入学という二つの分け方をしています。アメリカだと、裏口入学は「うちの子の入学考慮してな」と、ものすごい大金を大学にドーンと寄付して、通常なら受からない成績の学生を大学側に受け入れさせてしまうパターン。トランプ元大統領の娘婿のクシュナー氏は、これでハーバードに入学したということです。ちなみに寄付額は250万ドル(2億7500万円ぐらい)だっという報道もあります。

 

この番組で扱っているのは、横口のほう。リック・シンガーという元バスケットボールコーチの男性が、高校生に大学受験のためのアドバイスを行うビジネスを始めます。徐々に大学関係者との人脈を広げていった彼は、大学のスポーツ推薦枠に全く関係のない受験生を入学させるという手法を編み出します。この方法でもわが子を名門に入れたいという親から大金を受け取り、彼の取り分以外は大学のコーチやアドミン担当者に渡していました。この手口に関わった人は絶対に口外しないという約束のもと、不正な入学斡旋が長期間続いていたということです。ちなみに娘を南カリフォルニアに入学させた女優の夫婦は50万ドル(約5500万円)払っていました。

 

結局ばれて、不正入学を頼んだ親、大学関係者の多くが罰せられました。シンガーは捜査に協力したため、他の関係者の判決後に裁判となるようですが、タイム誌によれば、懲役65年、罰金100万ドル(1億1000万円)以上の可能性があるということです。

 

この番組を見て思ったのは、まずこのシンガーという人が頭が良いということ。スポーツ推薦枠という一般の受験生に分かりにくい穴を見つけたのがすごい。しかも大学入試に必要なテストも、学習障害などがある受験生の特別枠で予約させて、試験監督まで買収して彼にテストを解答させていたというのもかなり用意周到です。いろいろ工夫したんだなあとある意味感心(違)。

 

そして再確認したのは、やっぱりアメリカも学歴で将来が大きく変わる社会だということです。アイビーリーグとかがもてはやされ続けるのは、やはりステータスシンボルだからであり、その名前やネットワークは一生ものなので、大金を払ってでも買う価値があるんでしょうね。日本の教育がダメでアメリカは素晴らしいなんていう人もいますが、アメリカのほうが結果特権階級を作り出す制度になっている気がしますよ。この点は褒められない。

 

私は前に以下のような記事を書いたんですが、教育格差には親の経済力が大きく影響しています。

newsphere.jp

あまり賢くない子でも、親の金でレベルアップが図れるという悲しい話です。お金を使えばおバカな子でも学力が上がり、頑張って勉強しても親の金がないと成功への道が閉ざされる場合もあるというのが現実らしいです。

 

この不正入試の場合は、お金をかけても成績が上がらなかった、勉強に興味を示さなかった子供を、さらに財力で名門校に投入するというパターンです。そのおかげで入学できなかった子も実際にいるはずなので、他人の人生まで変えてしまうという最悪パターンですわ。この事件は明るみになったのですが、おそらくもっと不正入試はどこかで起こっているのではないかなと思います。

 

番組の最後で、「Side Doorは閉じられたが、Back Doorはまだ開いている」というテロップが流れていました。つまり、横口がなくなっても、億単位の寄付で子供を受け入れさせる裏口入学はまだ行われているということですね。名門校は、この件に関しては口を閉ざしているようです。一部には、多額の寄付者がいることで貧しい学生の奨学金が出せるので、裏口入学は必要悪という考え方もあるようです。が、やはり公平公正ということを考えれば、教育の世界でこれが行われるのはどうも納得がいかないのでした。