UK9報道部

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1週間だけ行ってきました。ロンドン旅行記④ ー芸術&名物編ー

コートールド・ギャラリーのゴッホ、耳を切った後の自画像

観劇後のホテルまでの道のり、夜の町に変化があることに気が付きました。昼間にやっていたお店の多くが閉店していましたが、その入り口あたりにホームレスの人がいっぱい寝てたんですね。夜になると結構寒いんですが、店の入り口スペースは風よけができるのかもです。

 

日本でもホームレスはいますが、店頭に堂々と寝床を設営するパターンはあまりないような…。観光客の多い通りなんで、朝お店の人が来るまでに撤収するんだとは思います。しかし私も含め街行く人は無視して通り過ぎ、ホームレスは視界のなかから消えてしまってるんですよね。華やかなロンドンで、格差みたいなものを感じました(真面目に)。

 

さてさて、翌日です。娘はどうせ疲れているだろうからと、昼食から待ち合わせをすることに決定。私はホテルをチェックアウトしたあと、すぐ近くのコートールド・ギャラリーという美術館に1人で行くことに決めました。この美術館は3年ほど改修工事をしていたとのことで、昨年秋に再オープンしています。改修中に、作品は日本にも来てたようですね。全くアート通ではないのですが、印象派の名画が見どころということだったので、行ってみよっかなと。

courtauld.ac.uk

 

ホームページを見たら、チケット予約できるようでした。そういえば、前に大きな美術館にいったら人数制限があり、飛び込みだと入れないみたいなこともあったので、予約しました(これが結構個人情報登録満載で面倒でした)。もしかしてすごい混んでて密だったらとちょっと不安に。まあいいか。

 

で、行ってみたところほぼ誰もいなかった(笑)。入口で予約したチケット(QRコードが送られてきた)をピッとやっていただき、とりあえず3階の印象派の展示室へ。そこまでの螺旋階段がなんか素敵でした~気分はヨーロピアン。入ると超デカい絵が数点飾られておりまして、誰のか分かんなかったけどすごかった(ものすごい知識ゼロ)。

 

しかし、そのあとが圧巻でしたね。名画のオンパレードでしたもん。マネ、セザンヌゴッホゴーギャンルノワール、そしてモネ、と「中学の美術の教科書で見た!」と叫びたくなるような豪華セレクションに、一人興奮してしまいました。

 

2階はルネッサンスっぽい肖像画がたくさん。1階はさらに古い宗教画ぽいの(キリストと王様がいっぱい)がありましたが、ざっと見て終了。やっぱり印象派が分かりやすかったので、再度3階へ戻って最後になめるように鑑賞しておきました(入場料の元を取る派)。

 

ロンドンにはこれまでも数回来てますが、ほぼ毎回おのぼりさんなので(夫や知り合いの言われるままに動いてた)、大英博物館とかナショナル・ギャラリーとか定番を見てきたんです。が、正直広すぎて「何見ても分かんなかった」&「どれ見ても似てる」的な絵の連続で疲れちゃいました。

 

ところが今回のスペース的にはこじんまりと、しかし「絵心」不足でも分かるエッセンスを凝縮した展示は、まさに私の求めていたものだったと思いましたね~。時間のない人でも充実感120%。専門的知識はないけど、土産話になるから名画見たい!という人は、ロンドン観光に来たらここだけ行ってください(笑)。

 

この後待望の昼飯!と思いきや、娘から約束の時間を1時間遅らせてくれとライン連絡が。なぬーっ、と母は怒りました。実は私、朝食の次にイギリスで好きなのがフィッシュアンドチップスなんです(早&安)。で、昨晩と今朝にかけて、今日から娘と宿泊予定のホテルがある、ウォータールー駅近辺のフィッシュアンドチップス店を探してそこで待ち合わせにしていたんですわ。この大イベントのために朝食抜きにしていたので空腹で立腹!

 

グーグル評価で★4つ半の名店を見つけ、レビューを読んだら「おいしいけどキャッシュオンリー」とカードしか持ってなかった人の苦情の嵐になってました(笑)。頑固おやじの店的な(勝手に想像)とってもそそるお店っ。わざわざ美術館に行く前に例の両替屋で日本円をポンドに替えて準備万端だったのに~。

 

しょうがないので、少し美術館の前をぶらぶらしてコーヒーでも飲もうと思ったんですが、昼になるとどこも結構密になっていたのでパス。フィッシュアンドチップス店には歩いていける距離だったので、グーグルマップを見ながらウォータールー駅のあるテムズ川の対岸に向け、橋を渡りました。

 

対岸の橋沿いは亡くなった女王の棺を見るために並ぶ人たちの列が見えました。翌日は国葬で、それまでにいかないとお目にかかれないので長蛇の列。これがもう連日ニュースになっておりまして、24時間以上待ちとかもあったようです。ビッグイベントに参加してる気分が、民衆を突き動かすんでしょうか(私は無理)。

 

ホテルで行列のルート地図を貰いました。トイレとか水飲み場とかも示されていて親切。

私は行列を横目に橋を通過。フィッシュアンドチップス店を見つけ、待ち合わせまであと30分弱もあったので道を渡ったところのバス停に腰を下ろして待ち行く人々を眺めていました。実はこれを自分で「ヒューマン・ウォッチング」と名付けていまして、見知らぬ人の行動を見るのが大好きなんですわ(注:ストーカーではない)。もう、「何があったの?」と尋ねたくなるほどほくそえんでる人とか、無心に鼻くそ掘ってる人とか、人間って本当に面白いですよね。この話してると延々語れるのでやめときます(笑)。

 

ヒューマンウォッチを満喫中に娘からさらに遅れるとの連絡。もう母は怒り心頭に達し、昼食は後にして集合場所をホテルに変更。だってもうチェックインできる時間になってたんですもん(涙)。

 

ホテルは駅近だったので、ロビーでソファに腰かけて娘を待つことに。娘、私を拝み倒しながら登場。ブーブー文句を言った後に、チェックインしてお部屋に入りました。前払いしてちょっとお安い料金だったヒルトンの部屋は広めできれいでした。

 

ところがアクシデント発生。娘が手を洗うといって洗面台を使ったところ、なんと排水栓がしっかりされており水が抜けないと。よくある金属の丸い栓で、普通蛇口周りに開け閉めするレバーがあったりするもんなんですが、どこにもないんですよね。ぐっと水栓部分を押してみたり、ほじくって見たりするんですが、どうにも動かない(汗)。フロントに電話して助けを求めましたが、全然来ないんで、仕方なくそのままにしてフィッシュアンドチップス店に行こうと部屋を出ました。

 

そしたらお掃除の方が別の部屋を掃除してたんで、その人に助けを求めたんです。英語あまり分からない感じの女性だったんで、「来て来てっ」と部屋まで呼んで、ここが開かないんですと指差しで伝えると、その人がクスっとして、人差し指で水栓の端を押すと、くるっと栓が回ったんです。なんと、コイン型の栓がくるくる回転して開閉するシステムだったんですね。横になってると閉まって縦にすると水が抜けていくという(説明難しいけど、分かるかな?)。予想外の展開に、思わず「わーっ」と歓声を上げた親子。お掃除の女性から、こぼれんばかりの笑顔をいただきました(めでたしめでたし)。こういう洗面台、今後もどっかで遭遇するかも。覚えておきたいですね。

 

そしてフィッシュアンドチップス店到着!さすがにもう飯時はとっくに過ぎていたので余裕で着席。こちらのお店でございます。

maps.app.goo.gl

フィッシュアンドチップスは、名前のまんま、揚げた魚にフライドポテト(チップス)がついたもので、大体どこ行っても食べられます。フィッシュは通常コッド(タラ)、ハドック(コダラ)、プレイス(カレイ)の3種類で、私はいつもコッドです。チップスは手でカットした短いサイズがよしとされてるらしいです。

 

やはりおいしいのを食べようと思ったら調べないとね。ただ、調べても失敗する場合もあるらしい。昔読んだツイートで、「地元の3世代続く名店に超楽しみにしていったら、『この数十年間いったい何やってたんだ』っていうぐらいまずかった」というのがあって、大爆笑したことを覚えています。

 

で、私が本日の名店で食べたのはこちら。

サイズ感がわかんないと思いますが、コッドは私の靴(23センチ)ぐらいの長さはありました。そしてチップスもてんこ盛り。朝食を抜いたわけが分かってもらえると思います。お味のほうですが、レビューがよかっただけあり、揚げたてで衣がサクっとして美味でした~。肉厚のお魚も臭みはゼロ。

ただ、ずっと食べてると飽きるんで、味が変えが必要。私は最初はお酢をたっぷりかけていただき、その後タルタルソース、最後にチップスにつけたケチャップの残りをつけて食べるという流れで魚だけは間食しましたが、芋はもう無理でした(娘も同じ)。唯一評価できなかったのは、チップスが冷凍だったこと。これはまあ、最近はしょうがないことかもですね。ちなみに現在では、このお店はカードOKに変わっていました。クチコミの怒りがちゃんと伝わったようです(◎)。

 

久々の本場フィッシュアンドチップスを食べ、超お腹いっぱいになった親子は、ホテルに戻ってゴロゴロすることに。しかし二人ともそのまんま眠くなり結局また夕飯を食べずに寝てしまったのでした。⑤に続く。