UK9報道部

気になるニュースについて書きます。海外ニュースがメイン。

欧米と大きく異なる。日本でポピュリズムが振るわない理由

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kalhhによるPixabayからの画像

海外から教えられる日本の話って、的を得ていないものも結構あるんですが、日本人だけど知らなかった、なるほどなぁと思うこともたくさんあります。本日は中東のアルジャジーラの記事。いまいち立ち位置が分からないメディアなんですが、たまに仕事のソースとして使っています。

 

www.aljazeera.com

 

書いているのは日本在住のジャーナリスト、マイケル・ペンという方です。いきなり中曽根さんの写真で入ってきたので何かなと思ったんですが、どうもボトムアップ政治といわれる、大衆の中から上へ働きかけていく政治は、中曽根時代に消滅したということらしいです。

 

中曽根首相(当時)は、1987年に国鉄民営化を実現。その過程で強力な国鉄労組は壊滅したということ。そして1980年代終わりまでに、日本のほとんどの労組は日本労働組合総連合会(連合)の傘下に再編されました。連合は30年以上の歴史の中で大規模ストを支援したことのないおとなしい労組であり、ささやかな要求で満足してきたということです。

 

中曽根氏の期待通り、労組を手なずけたことで10年も経たないうちに野党第一党社会党が崩壊。選挙運動に動員できる組合員のバックアップがなくなり、ビジネス界、専門家組織からの政権与党へのサポートに対抗することができなくなりました。

 

これにより、反体制的政治運動が成長し発展する余地があった時代は、日本政治においては終わりを告げました。だから、世界で起きたポピュリスト運動が、日本を素通りしてしまったんだそうです。うーん、策士中曽根にやられた、って感じでしょうかね。

 

これで終わりではなく、お話は続きます。

 

まずポピュリズムとは何ぞや、なんですが、実は定義はないということ。一般には、政治指導者が腐敗したエリートと戦う国民の代表として登場してくるというシナリオなんだそうです。しかし日本の政治システムには構造的障害があり、これがポピュリスト政党登場を難しくしていると西南学院大学のクリス・ウィンクラー氏が指摘しています。

 

日本の政党は自民党を除き、国政レベルの政治家だと意見の違う人々との妥協を余儀なくされ、選挙に勝つために他の小政党と協力することも。そして、与党も派閥があるため妥協を求められ、ストレートに我が道を行くこともできないシステムとなっているというご指摘です。

 

ということで、トランプ氏のような人物は日本では絶対に勝ち目はないとウィンクラー氏は主張します。自民党がそんな人に我慢できるわけはなく、完全なアウトサイダーが勝てるわけはないということです。また、テンプル大学ジャパンキャンパスのマイケル・チュチェック氏は、金で政界への道を買うことは日本ではできないので、トランプ型の登場は期待できないとしています。

 

そうなのか。でも孫さんや前澤さんならやればできそうな気も(笑)。

 

実は選挙制度だけの問題ではないという意見もあるそうです。シンクタンクアメリカ進歩センター、アジア担当シニアフェローのトバイアス・ハリス氏は、選挙制度はルールであって、国民の求めに応じて政党システムも変わるはずと主張。日本でポピュリズムが振るわないのは、年金、失業手当、皆保険などの社会的セーフティネットがしっかりしているため、深刻な貧困があまりない、または目に見えないからではないかとしています。

 

ウィンクラー氏は、過去20年で日本の不平等は増加傾向にはあるものの、アメリカのレベルにははるかに及ばないと指摘。経済的に苦しくなっている人が多い割には、ほとんどの日本人は自分は中流と思っていると述べています。なるほど。ということはみんなで下方に向かったため、中流のハードルが下がった結果、「みんなと一緒=まだ中流」が維持されているということでしょうか。

 

さらに、欧米のような金遣いが極端に派手で、超豪邸や人里離れた隔離された警備付きの場所に住むような大富豪は日本には少ないと同氏は述べ、そもそも平等、相互協力を重んじる日本では、富を誇示することは社会的に受け入れられないと解説しています。確かに、最近ネットの監視も厳しくなり、そういう生活をしているとものすごいバッシングを受けそうです。というわけで、同氏は、最近「上級国民」などという言葉が流行っているものの、国を支配する「1%」の欧米的議論は、日本においては主流ではないとしています。

 

もう一つ日本の特徴は、欧米で広がる都市部と農村部の格差があまりないことだそうです。ドイツ、デュイスブルク・エッセン大学のアクセル・クライン教授によれば、自民党が地方を存続させるため、多くの資金を投入。これにより、地方の日本人は、欧米の農村民のように「忘れられた人々」にはなっていないとしています。

 

ハリス氏は、もし日本に都市と農村の分裂があるなら、田舎の人が都市のエリートに向けたものではなく、都市の苦境に立つ人々が、田舎を拠点としたエリートに対し立ち上がっていることだ、と述べ、逆のポピュリズムになっている可能性を指摘しています。よって、田舎の怒りがポピュリズムにつながる欧米型にはならないということらしいです。田舎を拠点としたエリートっていうのがよく分からないですが、なんとなく理解はできます。

 

で、最後のポピュリズムにならない要因ですが、これはズバリ、日本の外国人・移民社会が非常に小さいせいだそうです。人口の2.3%しか占めていないため、政治議論の中でほとんど無視されると。上智大学のティナ・バレット氏は、欧米では反移民感情がポピュリズムにつながる重要な要素と指摘し、人口減少の日本では移民に仕事を奪われるという危機もなく、むしろ労働力不足としています。

 

ここは一応移民受け入れに舵を切ったとしている日本社会にとっては今後問題になるところかもしれないですね。難民問題なんかを見ていても、外国人に対する寛容さや忍耐度は低いので…。

 

もっともこれまでポピュリストを代表する政治家は、日常的にいたと記事は指摘し、小泉純一郎元首相、小沢一郎民主党党首を上げています。しかしハリス氏は、国家レベルの日本のポピュリズムはその後死滅したと指摘。民主党政権の失敗で、一般人は、日本をより自立的で社会的に活気ある国にするという前向きな政治変化を期待することに疲れ、安倍晋三氏の復活へとつながっていったとしています。

 

一方ローカルレベルではポピュリストはいるとずっと出ているとされています。元大阪市長(府知事)の橋下徹氏、河村たかし名古屋市長、田中康夫長野県知事小池百合子東京都知事など。しかし他国のポピュリストとは全く異なるとベレット氏は述べ、日本の場合はいずれも体制側の人物だとしています。そうですね、明らかに極右とか共産主義者みたいな政治家は選ばれていません。

 

で、また最初の中曽根さんの話に戻ってくるんですが、結局1980年代に労組が淘汰された後はそれに代わるものは出てこず、主流から外れた世界観を組織的に育むことができなくなったということです。自民党は1955年以来ほぼ一党独裁に近い形で日本を運営しており、クライアンティズムと呼ばれる、サービスや物品を期待して投票させるような政治スタイルで続いているということです。

 

このような構造的支配は、本来なら左派で活動するはずの多くの人々のファイティングスピリットを失わせたとクライン氏は指摘。さらに提供されたそれなりの生活に落ち着いて人々が政治に目を向けなくなっているようだと述べています。若者に協力、妥協、他者への依存を優先させる教育も貢献してしまっているとし、「日本人は自分の意見を表明し、それを論じるという育てられ方をしていない」と見ています。

 

まとめると、現代日本でのポピュリスト政治の弱さは、制度的バリアや反体制的な政治のためのプラットフォームがないことに加え、教育の仕方にも起因するということです。クライン氏は、「自分の意見が正しいと確信し、それを外に伝えたいと思わないのなら、そして自分についてきて同意することを他者に望まないのであれば、そこにはポピュリズム推進のための燃料はない」と結論づけています。

 

ポピュリズム不振というよりも、全部読むと日本人の政治への無関心というお題だった気がしますね。極端な話、政治に関心があれば、ポピュリズムが支持されて当然ということなのかもしれません。私は選挙には毎回行っているんですが、もうそれだけではだめなのかなあとも思い始めています。ただ、私一人でどうすればいいんだ、という気持ちもありまして、日本の将来、少し悲しくなってしまうのでした。

 

 

 

 

 

 

英音楽雑誌発表。読者が選んだ名ギターリフ、トップ10はこれだ!

 

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PIRO4DによるPixabayからの画像

実は私、若いころロック少女でした。イギリス系のロックバンドが好きでしたね~。ポリスとかジャムとか、クラッシュも好きでした。今は石川さゆり天城越えで震える、正統派おばさんに成長しております(結構『天城越え』の歌詞って深いからね)。

 

さてさて、今日見つけた記事はこちら。

www.musicradar.com

 

英音楽雑誌『Total Guitar』の読者投票で、音楽史上最高のギターリフ、トップ50が発表されたとのことです。ジャジャーン。1位はそうです、レッド・ツェッペリンの「Whole Lotta Love(胸いっぱいの愛を)」で、ジミー・ペイジのオーバードライブの高揚感が高く評価されています。私ハードロック系はそんな好きじゃなかったんでよくわかんないですが、ロックファンならここに落ち着きますかね。

 

エポックメイキングなセカンドアルバムのオープニングナンバーで、大衆文化に忘れがたい足跡を残し、エレキギター界を永久に変えてしまった名作。「誰もが60年代を演奏しているなかでの、70年代を演奏していた」という「なんか古っ」のツェッペリン批評ですが、リフがギター・ミュージックの中心となった理由が、このWhole Lotta Loveのリフだということです。知らなんだ。

 

youtu.be

 

 

2位に輝いたのは、ランディ・ローズオジー・オズボーン時代の「クレージー・トレイン」、3位はなぜか私も大好きだったAC/DCの、「Back in Black」でした(短パン懐かしい)。ランディ・ローズは、なんと亡くなったとき25歳だったんですね。飛行機の墜落事故が原因でした。

 

youtu.be

 

アンガス・ヤング、かわいい(ふふ、でも今はきっとおっさん)。

 

『Total Guitar」は購読しないと読めないので全ランキングは不明です。10位までは記事に出てるんでご紹介。

 

4位はディープパープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」、5位がヴァン・ヘイレンの「Ain't Tallkin' 'Bout Love(叶わぬ賭け)」、6位がメタリカの「エンター・サンドマン」と続いております。しかし、昔の邦題って意味不明(笑)。

 

7位はブラック・サバスの「Iron Man」、8位がパンテラ「Walk」で、このあたりになると私分かりません(汗)。9位がZZトップの「ラ・グランジェ」、10位がジミ・ヘンドリックスの「パープル・ヘイズ」ということでした。

 

個人的に好きなのは9位かな。多分みんな聞けば「知ってる!」ってなりますよね。

youtu.be

しかし、今の若い子たちのギター離れというのは結構深刻だそうですね。コロナでステイホーム中に、フェンダーのオンライン・ギター教室が人気となって、ギターを習う人が増えたというニュースもありました。ギター人口、このまま減ってほしくないですね。

 

 

 

 

 

欧米に「耳かき」はない!乾いた耳垢は世界ではマイノリティ

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moritz320によるPixabayからの画像


上の子はイギリスに住んでいるんですが、先日日本から送ってもらいたいものとして、「耳かき」をお願いされました。イギリスに売ってないそうなんです。子供が現地友達に聞いたところ、イギリス人のほとんどの耳垢はウェットワックス(wet wax)、いわゆるベトっとしたやつなんだそう。綿棒を使って耳掃除をするのはそのためらしいです。

 

私も子供も耳垢は乾いてます。そういえば、私アメリカに住んでいたこともあるのですが、その時黒人の友達がたまたま「耳垢べっとりしてるんだよ」って言ってたの思い出しましたわ。どうも黒人だけじゃなくて白人もそうなんですね。知り合いになった外国人に耳垢のタイプなんか聞く機会なかったので知らなかった~。たまたま近くにいるイギリス人はドライ耳垢であることは確認してますが、やつが非主流派ということだったんでしょうか。

 

ということで、耳垢調べてみました!

style.nikkei.com

 

この記事に出てくる北海道医療大学の当時の学長、新川氏によれば、人間の耳垢は遺伝子によって、乾いて粉状になる乾型と、松ヤニのような粘り気のある湿型があるということです。海外で日本の先っちょスプーン的になった耳かきが見つからないのは、湿型の人が多いためで、綿棒文化なんです。ここまでは私の知識と合致。

 

そういえば私がすっごい子供のころ、綿棒ってなかった(やばい、歳がばれる)。お母さんがたんぽぽの綿毛みたいなのがてっぺんについた耳かきで耳掃除をしてくれていました。少し大きくなってから綿棒が現れ、以後自分でお風呂のあとに綿棒で耳掃除をするようになりました。

 

でもやっぱり綿棒より耳かきで掘るほうが断然気持ちいい!今は素敵な耳かきを使ってます。ネットで数年前に見つけて以来これ1本やり。ちょっとお高いんですけど、デザインかわいいし、何より掘っても耳が痛くならない!子供にもこれを送ろうと思っています。

 

 

 

話戻りますね。

我ら日本人の7~8割が乾型だそうなのですが、世界で見ると圧倒的に湿型が多いのだそうです。乾型が多いのは東アジアで、中国、韓国もほとんどそうらしいです。つまり耳かきでの耳掃除は東アジア的習慣ということなんです。

 

で、新川氏の仮説では、「もともと人間の耳垢はすべて湿型だったが、数万年前に中国北部やモンゴルの周辺で遺伝子の突然変異に伴い乾型の耳垢が生まれ周辺地域に広がった」ということです。

 

日本には、弥生時代以来、渡来人が乾型の遺伝子を日本に運び込んだと新川氏は見ています。湿型だった縄文人との混血が繰り返されて、やがて日本に両方の耳垢タイプが混在することになったということです。深い。

 

耳垢タイプの話は海外でも紹介されてますね。

 

www.sciencenews.org

 

やはりネイティブアメリカンや東アジア系は耳垢が乾いて白いと書いてあります。でもって、湿型の耳垢は黄色くてねばねば、そして臭いと書いてありますね。うわ、それはいやっ。

 

耳垢の臭いを研究している化学者(いるんですね、いろんな人)、キャサリン・プロコップープリッグ氏のチームの研究によりますと、脇の下の臭いと耳垢のタイプは同じ遺伝子がコントロールしてるんだそうです。ということで、脇の臭い人は耳垢も臭いということらしい…。

 

さらに耳から飛んで脇の臭いに言及されています。脇の臭いは、脇の下にいるバクテリアが脇から出る化学物質を食べて発生させるものらしいです。ところが乾型の遺伝子(ABCC11)を持つほとんどのアジア人、特に韓国人は体臭を発生させる化学物質を脇の下に持っていないということ。つまり私の大好きなヒョンビンの脇は臭くないってことです!きゃー、ますます好きになっちゃう(笑)。

 

一方欧州人の約98%はいわゆるワキガの遺伝子バージョンを持っているそうで、それに伴い耳垢の粘度と臭気が増しているんだそうです。乾型の人と湿型の人が持つ臭気成分のうち12種類が共通だったそうですが、白人男性の耳垢はそのうち11種類をより多く生成するそう。大きな違いがあったのは、「汗臭い靴下のにおい」がする2‐メチル酪酸とイソ吉草酸。そして「ヤギのようなにおい」がするヘキサン酸だったそうです。ヤギのにおいってどんな?と思いますが、実際に嗅いだことのある人によれば、絶対いいにおいではないことは断言できるとのことでした。これ、2011年に行われたまじめな研究の結果です。

 

最初の日経の記事に戻ります。記事の筆者曰く、耳垢と共通するパターンというのが、酒に強い=酒豪か、酒に弱い=下戸かというお話だそうです。もともと人間は酒に強かったのですが、中国で酒に弱い遺伝子が突然変異で登場し、周囲に広がったと。下戸の遺伝子がまたまた渡来人によって日本に伝わり、酒豪と下戸が混在する日本が生まれたそうです。

 

ということは、私の耳垢は変異した遺伝子によるものですが、酒の強さはオリジナル遺伝子ということになりますね(酒大好き!)。新川氏によれば耳垢と下戸の遺伝子に関連性はないとのことです。やっぱり。

 

体の一部に感じられる!英研究者開発のロボット指がすごい!

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PDPicsによるPixabayからの画像

子供のころピアノを習ってたんですが、私って指が短くて届きにくい鍵盤があったんですよね。オクターブ超えての親指と小指の連打は厳しいものがありました。子供心にピアノ向いてないだろ、って思ってましたね(涙)。

 

なんでこんな話を思い出したかというと、今日のニュースはこれだからです。

www.ucl.ac.uk

 

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)からのニュースなんですが、「第3のロボット親指」を装着してブロックタワーを作るなどの器用な作業が効率的に行えることが判明したということです。

 

この「第3の親指」を考えたのは、デザイナーのDani Clodeさんという人で、失われた指の機能を補うというより、もともとある人の体の延長として義肢のとらえ方を再構築することが目的だったとのこと。その後、体の拡張物がどのように脳に適応できるのかを研究していたUCLのTamar Makin教授のチームに招き入れられ、研究が始まったとのことです。

 

Makin教授は、身体拡張は身体能力の向上を目的とした成長分野だとしていますが、どのように脳がそれに適用するかはよく理解されてこなかったと述べています。Daniさんの巧みに設計された「第3の親指」を使って、追加された体の一部を脳がどう受け止めるのかが今回の研究の趣旨とのことです。

 

第3の指は3Dプリンターで製作されており、カスタマイズが簡単とのこと。ユーザーの小指の近く(親指とは反対側です)に装着し、足の親指裏側に取り付けた圧力センサーで操作する仕組みです。センサーはワイヤレスで第3の親指に接続されており、装着した人からの微妙な圧力の変化に反応して、親指の動きをコントロールします。

 

今回の研究には20名が参加。5日間のトレーニングで親指の使い方を習い、その後家に持ち帰って生活の中で使用しました。プラセボ群として、同じトレーニングを受けた後、動かないバージョンの親指を装着した人も10名用意されたとのことです(これは後日脳の変化を見るためだったから)。

 

実験室での毎日のセッションで、参加者は手と親指の協調性を高める作業にフォーカスして、使い方のトレーニングを受けました。例えば、複数のボールを拾ったり、片手でワイングラスを拾い上げるなど。皆すぐに基本的使い方を習得し、トレーニングで運動制御、器用さ、手と親指の協調性をうまく高めました。最終的には、数学の問題を解いているときのような注意力がそがれる状況、さらには目隠しの状態でも、木のブロックタワーを作ることができるまでになったということです。すごい!なかなか皆さんお上手。上達ぶりをビデオをご覧ください。

 

今回の研究で、人は考えすぎることなく拡張デバイスの使い方を覚え、自分のプラスになるように使うことが分かったとのこと。第3の親指を使っている間、人は自分の自然な手の動きを変えており、ロボット指が自分の一部のように感じられるという報告もあったそうです。今後は外科医がアシスタントなしで手術したり、工場労働者の仕事の効率化など、実践に使えそうということ。また、片方の手しか使えない人が、その手ですべての作業を終えることができるようになることも期待されています。

 

そこで必要になるのが、脳との相互作用だとのことです。研究では、トレーニングの前後に参加者に指を動かしてもらい、脳のスキャンをしたそうです。第3の親指を装着した手が脳の感覚運動野でどのように表されるかを調べたところ、重大な変化を確認したとのこと。ただし、1週間後にまた調べたところ変化は収まっており、長期的なものではない可能性もあるとのことでした。

 

今回の研究は成功ということで、今後は専門家が協力して、拡張デバイスが脳の学習・適応能力を最大限に活用しつつ、安全に利用されるようにすることが必要とのこと。

 

私理系の人ではないので仕組み的にはよくわからないのですが、画期的じゃないでしょうか。一部の指の機能を失って困っている人なんかにはすごく希望あり。自分の体の一部と感じられるまでに技術が発達すれば、素晴らしいですよね。あと、猫の手も借りたいじゃないけど、指が増えることによって効率が上がる仕事もたくさんある気がします。でも千手観音ばりに手指が増えるのは怖いけど(汗)。

 

コロナ時代で、ワクチンを始め私は科学の力に圧倒され続けているんですが、今回も科学が肉体を変える時代にまた一歩近づいたかなと思います。海外だけではなく、日本からもこういうニュースがたくさん出てくるとよいですね~。若い人、がんばって!

 

 

 

新型コロナウイルスの研究所からの漏洩はあり得たか?専門家の意見は

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Angeles BalaguerによるPixabayからの画像

本日ウォール・ストリート・ジャーナル紙がスクープを発表。日本語でもさっそく出ています。

jp.wsj.com

 

この記事によりますと、2019年に中国武漢のウイルス研究所の研究員3人が体調不良で「新型コロナと季節性の通常疾患両方の症状」を訴え治療を受けていたということです。トランプ政権時代の国務省の情報だったとのこと。関係者の一人は、質の高い正確な情報だったと述べているらしいです。

 

そう来ましたか。

実は、私数日前にこの記事を書いていました。なので反応してしまいました。

newsphere.jp

 

WHOがコロナの出所を調査したものの、研究所からの漏洩はほぼないとした報告書を出していました。中国側から十分なデータが示されなかったので、複数の研究者が、その結論は科学としてどうなの?と正確な調査を望む書簡を発表したという話だったんですが、ここへきてこのニュースです。

 

欧米メディアは、WSJのスクープを取り上げる報道ばかりで同じような記事になっているんですが、数日前に出たもので非常に興味深いものがありましたので、今日ご紹介します。スタンフォード大学微生物学者、デビッド・レルマン氏の意見です。この方は前述の書簡を出した学者のうちの中心人物で、新興感染症潜在的な生物学的脅威に関する助言を米政府の行っている人です。

med.stanford.edu

 

レルマン氏は、新型コロナウイルスSARS-CoV-2)の起源についてはほとんど分かっておらず、ウイルスの最も近い親戚は雲南省のコウモリから発見されたものの、最初の感染者は約1600キロ離れた武漢で確認されたと述べています。

 

このウイルスが人に感染した可能性の一つは、コウモリをはじめとする宿主となる動物が人間と直接感染した場合。もう一つは、宿主が別の動物を感染させ、それが人に出会って間接的に感染した場合とのこと。ふむふむ。

 

コウモリや宿主となり得る動物は中国全土に出荷されていることが知られており、武漢も含まれます。しかし、武漢やその近くに感染した動物がいたとしても、それはまだ公に特定されていません。発生源の動物そのものが武漢の周りでは見つからないということですね。

 

もしかしたら、雲南省やその近くで感染した動物と接触した人が武漢に持ち込んだのかもしれませんが、このウイルスの感染力の強さから考えて、最初に接触した場所付近で他の感染者が現れることが予想されるとレルマン氏は述べています。まあ、雲南省で感染した人や動物がその後誰にも接触せず武漢にやってきていたとしたら別ですが。

 

だとしたら武漢から発生したと考えるのが自然ですよね。だけどその動物は見つかってないんです。感染した人しか見つかってない。

 

レルマン氏はもう一つのシナリオを説明します。それは、ウイルスが人に遭遇する前に実験室にいたという場合です。武漢には、世界最大級のコウモリコロナウイルスのコレクションがあり、既知のコロナウイルスに知られていないコロナウイルスのゲノム配列を組み込んだ「キメラ」コウモリコロナウイルスを作り出す研究プログラムが盛んに行われているということ。その実験室で働く人が、事故などで感染し、ウイルスが実験室の外に持ち出された可能性はあり得るということです。

 

これまでSARS-CoV-2の起源を見つけるため、そのゲノム配列とそんなに近い関係のないコウモリ由来のコロナウイルスのゲノム配列まで、徹底的に分析されてきたとのこと。しかし、SARS-CoV-2の祖先に近いものはまだ見つかっておらず、2019年末に武漢で初めて人の発症が報告されるまで、どこからも確実に検出されていません。中国当局コロナウイルスの実験室での研究に関連する記録やデータの公開を管理・制限していることが起源特定をさらに困難にさせているとレルマン氏は指摘しています。

 

WHOの報告書がいかに信頼できなかったものかは、2番目の記事で説明してありますが、研究所からの漏洩説は事故という観点からでさえも十分な調査が行われておらず、ほとんどが陰謀論に結び付けられていたそうです。あくまでも漏洩説を消すつもりだったとしか思えないですね。

 

コロナの起源を突き止めるという問題は、政治的な性質を持っているため非常に困難だとレルマン氏は言っているんですが、中国が相手なだけに…現体制が続く限りは、真偽を確かめることはできないでしょうね。

 

ということで、我々が勘繰りすぎているのかもしれませんが、漏洩説真実味を増してまいりました(怖)。続報があればまた書きたいと思います。

お金で名門大学に。裏口入学スキャンダルが示した米学歴社会の闇

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Andrew TanによるPixabayからの画像

ずっと最近「ハウス・オブ・カーズ」というネットフリックスドラマを見てました。主役のケビン・スペイシーが未成年者への性行為かなんかのスキャンダルで降板したやつ。友達に、最後グダグダらしいよ、って言われたにも関わらず見ており、それなりに面白かったんですが、シーズン6が突然地獄でした。ものすごい変な展開の連続で、よく最後まで私見たなと思います(笑)。主役って大事。

 

で、次に見たのがこれ。「Operation Varsity Blues」というドキュメンタリーです。「バーシティ・ブルース作戦。裏口入学スキャンダル」という邦題ですね。予告編はこちら。

youtu.be

 

実は前に仕事のネタ探しをしていたときに、アメリカの名門校に有名女優や資産家の子供たちが裏口入学をしていて、それを一手に引き受けてた人がいたというニュースを読んでいました。その話ですね。2019年に発覚し、50人が起訴され多くが有罪になった大事件でした。

 

日本だと裏口入学というんですが、この番組では裏口入学と横口(Side Door)入学という二つの分け方をしています。アメリカだと、裏口入学は「うちの子の入学考慮してな」と、ものすごい大金を大学にドーンと寄付して、通常なら受からない成績の学生を大学側に受け入れさせてしまうパターン。トランプ元大統領の娘婿のクシュナー氏は、これでハーバードに入学したということです。ちなみに寄付額は250万ドル(2億7500万円ぐらい)だっという報道もあります。

 

この番組で扱っているのは、横口のほう。リック・シンガーという元バスケットボールコーチの男性が、高校生に大学受験のためのアドバイスを行うビジネスを始めます。徐々に大学関係者との人脈を広げていった彼は、大学のスポーツ推薦枠に全く関係のない受験生を入学させるという手法を編み出します。この方法でもわが子を名門に入れたいという親から大金を受け取り、彼の取り分以外は大学のコーチやアドミン担当者に渡していました。この手口に関わった人は絶対に口外しないという約束のもと、不正な入学斡旋が長期間続いていたということです。ちなみに娘を南カリフォルニアに入学させた女優の夫婦は50万ドル(約5500万円)払っていました。

 

結局ばれて、不正入学を頼んだ親、大学関係者の多くが罰せられました。シンガーは捜査に協力したため、他の関係者の判決後に裁判となるようですが、タイム誌によれば、懲役65年、罰金100万ドル(1億1000万円)以上の可能性があるということです。

 

この番組を見て思ったのは、まずこのシンガーという人が頭が良いということ。スポーツ推薦枠という一般の受験生に分かりにくい穴を見つけたのがすごい。しかも大学入試に必要なテストも、学習障害などがある受験生の特別枠で予約させて、試験監督まで買収して彼にテストを解答させていたというのもかなり用意周到です。いろいろ工夫したんだなあとある意味感心(違)。

 

そして再確認したのは、やっぱりアメリカも学歴で将来が大きく変わる社会だということです。アイビーリーグとかがもてはやされ続けるのは、やはりステータスシンボルだからであり、その名前やネットワークは一生ものなので、大金を払ってでも買う価値があるんでしょうね。日本の教育がダメでアメリカは素晴らしいなんていう人もいますが、アメリカのほうが結果特権階級を作り出す制度になっている気がしますよ。この点は褒められない。

 

私は前に以下のような記事を書いたんですが、教育格差には親の経済力が大きく影響しています。

newsphere.jp

あまり賢くない子でも、親の金でレベルアップが図れるという悲しい話です。お金を使えばおバカな子でも学力が上がり、頑張って勉強しても親の金がないと成功への道が閉ざされる場合もあるというのが現実らしいです。

 

この不正入試の場合は、お金をかけても成績が上がらなかった、勉強に興味を示さなかった子供を、さらに財力で名門校に投入するというパターンです。そのおかげで入学できなかった子も実際にいるはずなので、他人の人生まで変えてしまうという最悪パターンですわ。この事件は明るみになったのですが、おそらくもっと不正入試はどこかで起こっているのではないかなと思います。

 

番組の最後で、「Side Doorは閉じられたが、Back Doorはまだ開いている」というテロップが流れていました。つまり、横口がなくなっても、億単位の寄付で子供を受け入れさせる裏口入学はまだ行われているということですね。名門校は、この件に関しては口を閉ざしているようです。一部には、多額の寄付者がいることで貧しい学生の奨学金が出せるので、裏口入学は必要悪という考え方もあるようです。が、やはり公平公正ということを考えれば、教育の世界でこれが行われるのはどうも納得がいかないのでした。

 

 

ワクチン接種にも貢献。シンガポールはやっぱりシングリッシュ

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Holger DetjeによるPixabayからの画像

実は私10年ほど前までシンガポールに住んでいました。

暑かった、ご飯がおいしかった、車が高かった(車を減らそうとしてたので、車保有には購入権を買う必要がありまして、カローラで300万円ぐらいじゃなかったでしょうか?)…など断片的に今思い出しますが、なんといっても懐かしいのは地元独特の癖のある英語、シングリッシュです。「オーケー、ラー」、「ホードン、ナー」など、現地に住んでいる日本人ならだれでも聞いたり真似したりしたことのあるフレーズですね。わかる人だけわかって。

 

で、シンガポールといえば、早々とコロナ対策で感染者を減らした優等生。ワクチンもさっさと確保して、さすが有能政府の本領を発揮しました。以下記事参照。

newsphere.jp

ただ、最近また感染が増えて飲食店の制限や学校休校になってるみたいですね。感染をうまく抑えたため、ワクチン接種もそんなに進んでいないみたいです。私のシンガポール人友達は先週の時点で1回目接種終わったって言ってましたが。

 

で、政府が接種キャンペーンで披露したのがこのビデオ。

 シンガポールの有名俳優、グルミット・シン(Gurmit Singh)が数十年前にコメディ番組で演じて大ヒットしたキャラクター、プア・チュウ・カンに再び扮して登場しています。

 

キャッチーなメロディーに載せられているのは英語なんですが、地元で使われるシングリッシュ。もともとシンガポール人の英語はアクセントが強いので初めての人には聞きづらいですね。ただすぐ慣れますけど。日本人の駐在員さんなんか、シングリッシュになってる人が結構いますね。語尾にラー(lah)をつけたりするのが特徴なんですが、日本人も、「ね」とか「さー」とか付けますから、言いやすいのは確かです。

 

もっとも一流企業に勤めるシンガポール人などは、皆さん普段は素晴らしいブリティッシュイングリッシュを話しますね。ただ、おうちではシングリッシュという方も多いみたい。使い分けができるのが素晴らしいです。シンガポールに移住したオリラジの中田さんご家族もせっかくですからこちらを目指していただきたいです。

 

さて、今回のビデオでむむっと思った単語が「Steady Pom Pi Pi」

ステディ・ポン・ピ・ピって何?ポン引き?おなかが緩くてピーピー?と全く分からず…

 

ならば、ということで調べました。これは実はプア・チュウ・カンの言い回しで、自信を表現する言葉らしいです。危機に瀕しても冷静で信頼できる人を表す言葉でもあるそう。 Steadyだけでも同じ意味なんですが、韻を踏んでPom Pi Piが加わったとのこと。チアリーダーのポンポンとホイッスルのピーピーから来ていて、どちらも安心を与える励ましのサインということです。なるほど。なぜチアリーダーだったのかはわかりませんが…、意外に深かったなあ。

 

ほかにも、

●Half-past six=無能だ、水準に達していない。

直訳だと6時半ですが、なぜダメなの?6時でも7時でもないからでしょうか?英語ではいい加減なことをhalf ass とか言いますが、その辺でしょうか?

●Shiok=素晴らしい、良い。

若い子がよく言うやつみたいです。アメリカだとawsomeがぴったりかな。

●Pokai=壊れた、金欠

これは広東語から来てるそうで、マレーシア(現地英語はマングリッシュと呼ばれています)とシンガポールでは意味が違うとのこと。違いは謎です。

●Uncle/Auntie=おじさん・おばさん

年配の男性をおじさん、女性をおばさんと呼びます。日本的。ちなみに私は最初のころは小姐(お嬢さん)と町で呼びかけられ「うふふ」となっていたのですが、だんだんアンティが増えてきて返事をするのを止めました(怒)。子供たちの学校のスクールバスには、必ず「バス・アンティ」と呼ばれる添乗員みたいなおばさんが乗っていましたね。

●Outstation=不在、出張中(長距離の場所に離れているということ)

これ分かる。マレーシアで最初に「?」となってしまった単語。 イギリス植民地時代に将校が勤務地を離れている際に使われていたということです。軍隊みたいでなんか壮大。ちなみにイギリス人はちゃんと理解してたので、やっぱりですね。

●Chope=席、場所を確保する

私マレーシアで働いていたときに、チョップを知りました。これは、マレーシア、シンガポールで使われてきたゴム印のことで、会社だとサインの代わりに社名と会社の登録番号、住所が入ったゴム印を書類にドーンと押したものです。今はネット時代なのでまだあるのかは謎。で、場所をゴム印押して確保するみたいな感じで使われているようです。

 

ちなみにシンガポールのフードコートはいつも席がいっぱいで、皆さん席を見つけるとそこのテーブルにポケットティッシュを置いて、「この席は取りましたよ」と周囲に示し、注文に出かけておりました。すごいシステムですが、だれもティッシュをよけて座ることはありませんでしたね。すでに文化。

 

あ~、なんかシンガポールいきたくなっちゃった。在星の友人に何が懐かしいと聞かれたので、Fried Prawn Meeと即答しました。Hokken Meeともいうんですが、エビ入りのシーフード味の麺に辛いソースをつけてライムを絞って食べるやつ。あれ、ほんと大好き。早くまた行けるようになるのを切に願います。