アメリカではついに死者が10万人を超え、まだまだ感染者が出続けているのですが、経済活動が多くの州で再開されています。州知事たちの多くはマスクの着用を呼びかけ、レストランやお店、公共交通機関でも、マスクなしでの利用を断るところも出ているのですが、これが一部のアメリカ人を大いに怒らせているようです。
こちらのビデオをご覧ください。
A misbegotten, warped freedom obsession is killing us. pic.twitter.com/KbYaTVtR0O
— Anand Giridharadas (@AnandWrites) 2020年5月22日
マスクをつけることを求められて、暴言を吐く、相手に向かって咳をする、暴力に訴えるなど、ものすごい抵抗です。マスクを当たり前のようしている日本人からすると何を怒っているの?と驚くばかりなんですが、彼らはマスクを付けさせられることで自分の自由が奪われていると考えています。
CNNによりますと、米疾病予防管理センター(CDC)ではソーシャルディスタンシングが難しい場合は、布製の顔を覆うものを着用することを勧めており、ホワイトハウスのコロナ対応コーディネーター、デボラ・バークス医師も、マスクをすることで飛沫が他人に飛ぶことを防止できることは数々の実験で実証されているとしています。それにもかかわらず、マスクが嫌な人が相当数いるわけで、その一人がトランプ大統領でもあるわけですが…。
ガーディアン紙によれば、一部の店では、マスクをする客の入店を拒否するという逆パターンもあるそうです。感染したくない人の権利よりも、自分の自由の保護が大事だと叫ぶ人のために、どのぐらいウイルスが広がるのか考えてみるべきだと同紙は断じています。ライターのAnand Giridharadas氏は、「ゆがんだ自由への執念が我々を殺す」と述べており、自由の意味を強引に誤解釈し、自分が嫌いな選択に対しては、選択の自由を叫ぶのはどうなんだということです。
マスク着用で人々の対立が深まるなか、ノースダコタ州の知事は、この不毛な議論はやめようと訴えています。すでに病気の人、お年寄りが感染すれば大変なことになる。他人の気持ちも考えて、マスクで揉めるのはやめようと。知事の涙の訴えをお聞きください。
In a tearful speech, Gov. @DougBurgum (R-ND) asks residents to skip the “ideological and political” debate on face masks. pic.twitter.com/BkTEDWxuYg
— The Recount (@therecount) 2020年5月22日
もっとも、USAトゥディ紙によれば、ほとんどのアメリカ人は、マスク着用に向かっているようで、5人に4人はマスクを公共の場ではしているということです。そりゃみんな感染を防ぎたいでしょうね。
日本では、逆にマスクをしていないと外を歩けない雰囲気です。マスク不足の折には、電車でマスクなしで乗っている若者を中年男性がしかりつけるみたいな事件もあり、していない人の居場所がないぐらいですよね。アメリカでは共和党、民主党支持者間でも見解が分かれているということで、政治も大きく関係しているのも面白いと思いました。国が違えば考え方も違うというのを、今回はしみじみと感じた次第です。