UK9報道部

良質な「コタツ記事」を目指します。海外ニュースがメイン。

自由のはく奪だ!マスク着用に抵抗するアメリカ人

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Christo AnestevによるPixabayからの画像

アメリカではついに死者が10万人を超え、まだまだ感染者が出続けているのですが、経済活動が多くの州で再開されています。州知事たちの多くはマスクの着用を呼びかけ、レストランやお店、公共交通機関でも、マスクなしでの利用を断るところも出ているのですが、これが一部のアメリカ人を大いに怒らせているようです。

 

こちらのビデオをご覧ください。

マスクをつけることを求められて、暴言を吐く、相手に向かって咳をする、暴力に訴えるなど、ものすごい抵抗です。マスクを当たり前のようしている日本人からすると何を怒っているの?と驚くばかりなんですが、彼らはマスクを付けさせられることで自分の自由が奪われていると考えています。

 

CNNによりますと、米疾病予防管理センター(CDC)ではソーシャルディスタンシングが難しい場合は、布製の顔を覆うものを着用することを勧めており、ホワイトハウスのコロナ対応コーディネーター、デボラ・バークス医師も、マスクをすることで飛沫が他人に飛ぶことを防止できることは数々の実験で実証されているとしています。それにもかかわらず、マスクが嫌な人が相当数いるわけで、その一人がトランプ大統領でもあるわけですが…。

 

ガーディアン紙によれば、一部の店では、マスクをする客の入店を拒否するという逆パターンもあるそうです。感染したくない人の権利よりも、自分の自由の保護が大事だと叫ぶ人のために、どのぐらいウイルスが広がるのか考えてみるべきだと同紙は断じています。ライターのAnand Giridharadas氏は、「ゆがんだ自由への執念が我々を殺す」と述べており、自由の意味を強引に誤解釈し、自分が嫌いな選択に対しては、選択の自由を叫ぶのはどうなんだということです。

 

マスク着用で人々の対立が深まるなか、ノースダコタ州の知事は、この不毛な議論はやめようと訴えています。すでに病気の人、お年寄りが感染すれば大変なことになる。他人の気持ちも考えて、マスクで揉めるのはやめようと。知事の涙の訴えをお聞きください。

もっとも、USAトゥディ紙によれば、ほとんどのアメリカ人は、マスク着用に向かっているようで、5人に4人はマスクを公共の場ではしているということです。そりゃみんな感染を防ぎたいでしょうね。

 

日本では、逆にマスクをしていないと外を歩けない雰囲気です。マスク不足の折には、電車でマスクなしで乗っている若者を中年男性がしかりつけるみたいな事件もあり、していない人の居場所がないぐらいですよね。アメリカでは共和党民主党支持者間でも見解が分かれているということで、政治も大きく関係しているのも面白いと思いました。国が違えば考え方も違うというのを、今回はしみじみと感じた次第です。

 

 

コロナのニューノーマル。リスクを見極めつつ外に出よう!

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tristanlai1220によるPixabayからの画像


日本、なんだかコロナ収まってきましたね。スカイツリーのある東京はもう少しかかりそうですが、各地で緊急事態宣言も解除の動きとなりました。我が家も子供たちはずっと家でオンライン学習。私は在宅業務の傍らスーパー、ドラッグストアに人の少ない時間を見計らって週2回の買い出しに出かけるのがルーティンとなりました。外食なし、持ち帰り弁当やテイクアウトのお菓子で家にまったりと引きこもる。オンライン飲み会もやりましたが、友達の顔がiPadミニ画面上では10円玉ぐらい、発言が被るなどの面倒くさい状況もあり、1回で終了しております。

 

なんで、やっぱりもう外に出たい!というか、このまま感染者1日数人なのにこの生活を続けるのはもう違う気がします。きっと冬にはまた次の波が来るっていうことだし、思い切って活動始めるのは今しかない!子供たちの勉強もできるときに対面でやっておいたほうがよい、と思うのでした。

 

で、こんなツイートを見つけたのでご紹介します。

 Mark D. Levineさんというニューヨーク市の市議で、Health Committee(健康委員会)の会長さんのようですね。訳していきますと

 

そろそろコロナのリスクに関する妥協のない態度を更新するときだ。社会活動の危険度は範囲に関わりがあるということを分かってもらうための手立てを人々に与えよう。隔離疲れにみんな直面している。新しいガイダンスと方針が必要だ。

 

厳しいこの2か月のニューヨークの自宅待機は成功して、感染も減って医療崩壊も回避できた。リバウンドの危険もあるので、ソーシャルディスタンシングは必要。だけどこの先の長い道のりを考えれば、家の外での人との接触を避けるなんて現実的じゃない。

 

もしリスクの低い活動を選ぶための情報が与えられなければ、人々はハイリスクな活動を選ぶだろう。ホームパーティ、バーの前での大人数の集まり、ライフガードなしでの海水浴など、すべてもうニューヨークで起こっていることだ。逆に、リスクに対する明らかなガイダンスがなければ、些細な脅威を気にする人も出るだろう。郵便物や生鮮食品からの感染、自転車で通りかかった人からの感染などだ。

 

科学者の間では、ほとんどの感染は、閉じた場所での長らくの接触により起きている、がコンセンサスだ。もちろん、それ以外もいくらかのリスクはあるが、重症化の可能性のある人は知っておくべき。

 

そして

・インドアよりアウトドアのほうがリスクは少ない。

・大グループより小グループのほうがリスクは少ない。

接触が維持される場合より通りすがりのほうがリスクは少ない。

のも事実だ。

 

専門家は次のようにリスクを説明している。

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「公園で友達と集まるな」というより、どうすればそれをした場合のリスクが低くなるかを教えよう(できるだけ少人数で、飲食物やスプーンやフォークなどの用具を共有しない。調子が悪いなら参加しない、など)。そしてリスクのレベルを人々に伝えよう。両親を訪問、友達と散歩、子供同士の遊びなど、どうすればリスクを最小化できるかのガイダンスを与えよう。

 

ニューヨークでは増える隔離疲れの最小化のための方針も必要だ。人でいっぱいのホームパーティよりリスクの少ないオプションを提供しよう。ビーチを解放するための安全策、夏の間の公園のスプリンクラーなど(感染率が下がり続ける限り)。

 

コロナウイルスが消えることはしばらくはない。だから自分と他者を守るために、みんなが特別の対策を取る必要がある。距離を取ったり、マスクをしたり、手を洗ったり、不要不急の外出をさけたりといったことだ。だけど長期のものだからこそアップデートが必要だ。

 

まとめると、リスクはゼロか百かじゃない。家にずっといろと人々にいうだけではダメだ。より安全な策がとれるよう、可能な範囲のなかに収まるチョイスを理解してもらう手段が必要だ。それこそがウイルスを撃退するベストなやり方だ。

 

ということで、これからはコロナ前と同じことはできませんが、私は出かけていきたいと思います。人ごみを避けて、人との距離を保てるところなら、外食もしたいし、買い物も行きたい。しばらく我慢した歯医者さんにもそろそろ。旅行も、事業者が対策をしっかりしているところなら行きたいです。経済が回っていくためにも、一人ひとりが注意して、外へ出ていくことが必要だと思います。日本にはすでに3密の意識が浸透していますし、マスクもばっちり。あとは各自の判断力で状況を見極めることができれば、ちょっと不自由な自由をしっかり楽しめると思います。

 

追記:なんと、Levineさんが、3密を紹介してくれてました〜。英語では3Cなんですね。

 

 

 

 

明らかに密。米食肉工場でコロナのクラスター大発生

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Free-PhotosによるPixabayからの画像

日本のコロナの感染も、かなり収まってきたようです。検査の数が少ないなどいろいろ批判はありますが、5月9日時点の国内新規感染者は81名、死者601人ですので、とりあえずはほっと一息といった感じでしょうか。

 

さて、海を越えたアメリカでは、すでに死者数は7万8000人を超えました。ニューヨークなどは峠を越えたようですが、他の州では感染が拡大中です。ロックダウンを早々に緩和させている州もあって心配ですが、各地で共通のクラスターが発見されています。

www.wired.com

それは食肉工場。この記事によれば、最近全米の牛、豚、鶏肉の加工工場で新型コロナの集団感染が起きているそうです。すでに十数か所の工場が操業停止になっており、4月27日時点で19州で5000人近くの従業員が検査で陽性と判定されたそうです。

 

実はアメリカだけではなく、カナダ、スペイン、アイルランド、ブラジル、オーストラリアでも食肉工場の大クラスターが発見されており、世界的現象とのこと。原因特定は難しいのですが、いくつかの手がかりが出てきています。

 

その一つが工場の環境です。1000人もの労働者が8時間のシフトで隣り合って働くのに加え、1、2秒の間に目の前を通過する肉の塊を次々と処理するという過酷な作業で、呼吸は激しくなりマスクをしっかりと適切な位置につけておくのも難しいそうです。他者との距離を取るため、米疾病予防管理センター(CDC)は製造ラインの速度を下げてより少ない人員で作業すること、また1度に施設に入る労働者の数を制限できるようシフトをずらすことなどを工場側に要請しているそうです。

 

工場側ではCDCの要請のほかにマスクの着用、検温、清掃スタッフの増員などの予防措置をしているということですが、すべての感染者が発熱するわけでもなく、PCR検査も毎日できるほどの能力もありません。ある豚肉加工工場で検査を行った際には、370人以上の陽性が見つかったのですが、その全員が無症状だったということで、完全な対策は困難なようです。

 

もう一つ注目されるのは、工場の温度と換気です。食肉工場では、別の病原菌などによる肉の汚染を防ぐため、低温に保たれており、これが新型ウイルスが空気中で長らく生き延びるのに貢献していると見られています。また、強力な換気のため、工場内の空気の移動スピードが速くなり、これがウイルスを含んだ飛沫を素早くかつ遠くに運んでいるのではという見方もあります。

 

さらに、工場外での従業員の置かれた環境にも原因があるとされています。食肉加工の仕事は重労働で低賃金なため、違法労働者や最近来たばかりの移民などが多く従事しているとされ、彼らの多くが大人数で狭いスペースに暮らしており、家での感染の可能性が指摘されています。また、通勤も会社が用意するバスなどを利用しており、同じメンバーが長時間バスの中にいることで、感染が広がっているとも考えられています。

 

そのような労働者が感染すれば、検査や受診の機会も少ないため、症状がひどくなるまでウイルスを意図せずまき散らしてしまうことになります。また違法労働の場合、多くが携帯電話を持っていない、もしくは番号を他に教えることを嫌がるため、接触者追跡も困難ということです。こういった理由で、食肉加工工場の労働者がとりわけ感染しやすくなっています。

 

アメリカでは相次ぐ工場内でのクラスター発生で、食肉の流通が滞り価格高騰なども起きているようです。畜産は二酸化炭素の排出量が多く、温暖化を助長するなどともいわれてきましたが、産業化された畜産のシステムとそこで働く人々の脆弱性が、コロナにより改めて明らかになったと記事は述べています。

 

日本もアメリカからの肉類の輸入は多いので、今後心配ですね。今は和牛が余ってるなどと言っていますが、コロナが長引けば肉の供給だけでなく、他の食品にも徐々に影響が出て来るかもしれません。

 

 

ドイツのコロナ対策のキーパーソン。ウイルス学者、ドロステン氏の苦悩

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Karlheinz PapeによるPixabayからの画像

ゴールデンウイークですね。ただし今年は皆さん緊急事態宣言のもと、お家で自粛です。不要不急の外出はされませんように。

 

さて、コロナ関連の執筆のため、いろいろ調べていると専門家の名前を覚えてきました。日本だと、西浦先生とか忽那先生とか、ダイヤモンド・プリンセス号の岩田氏やらテレビに登場の多い上氏とか…。海外でも有名になっている学者さんがいまして、本日はドイツのメルケルさんをサポートする有名ウイルス学者のインタビューを英紙から引っ張ってきました。

www.theguardian.com

若いころはハンサムだったかも、田村正和似?という感じですが、この方は、ベルリンのシャリテ大学病院のウイルス学研究所長、クリスチャン・ドロステン先生です。2003年にSARSウイルスを特定したことで有名。コロナに関しドイツ政府がアドバイスを求める、第一線のウイルス学者です。Q&A方式なので、ざっくり訳します。

 

Q:ドイツは月曜(4月27日)から徐々にロックダウン解除の予定ですが、その後はどうなりますか?

A:すでに集中治療室ICUは半分空いています。診断を早期に幅広く行い、感染を食い止めたからです。再生産数(一人当たりが感染させる人数)は1以下です。いまや私が「予防パラドックス(一人の人が恩恵を得るために多くの人が行動変容を強いられること)」と呼ぶことが始まりました。人々は我々は過剰反応していると言い、普通に戻せという政治的、経済的圧力があります。ドイツ連邦政府の計画は、ロックダウンを少しだけ解除することですが、州が独自のルールを設定しています。計画に対する独創的な解釈がたくさん生まれることを危惧し、また再生産数が上がって第2の波が来ることを心配しています。

 

Q:ロックダウンがより長くなれば、コビット19は撲滅できるんですか?

A:あと数週間続ければ、再生産数は0.2まで下げることができるという専門家がおり、私もその考えに傾いていますが、まだ決めかねています。再生産数はあくまでも平均で指標にすぎない。老人ホームなどでは感染が広がりやすく、根絶にも時間を要します。こういったところからロックダウンを延長しても急に再燃する可能性はあります。

 

Q:そのような再燃があれば、封じ込められるのでしょうか?

A:はい。ですが接触者追跡だけではだめです。今では感染が発症前から起こることが分かっています。発症の2日前から感染力があるので、接触者を見つけるのは時間との戦いです。できる限り早く見つけるためには、テクノロジーを利用した接触者追跡が必要です。

 

Q:集団免疫獲得までどのぐらいでしょう?

A:人口の60~70%が抗体を持たなければ達成できません。欧米の抗体検査の結果から、まだ一桁台前半です。検査も信頼性が低く、すべての検査で偽陽性の問題が出ています。集団免疫といいますが、だれもがどんな時でも感染するというわけではありません。人が形成するソーシャルネットワークはシフトし、新しい人がウィルスにさらされます。これにより、感染の波ができるわけです。また、他の風邪を引き起こすコロナウィルス感染に保護されて新型コロナウィルスに感染しない可能性もあり、これが集団免疫に影響を与える要素でもあります。

 

Q:すべての国で全員検査にすべきでしょうか?

A:わかりません。ドイツでさえ、主に症状のある人に大量検査をしましたが、陽性率8%を上回っていません。医療従事者、介護士など、危険度の高い人に絞った検査がベストだと思います。ドイツでもその方向ですが、まだ完全にできていません。その他としては、症状が出て最初の週にある人、特に病院に来た時点で手遅れになりがちな高齢者です。また、定期的に人口のなかから抽出検査を行い、再生産数をチェックするための監視システムようなものが必要だと思います。

 

Q:ウイルスは季節に関係ありますか?

A:あまりないでしょう。ハーバードのリプスティッチ教授のグループの疫学モデルでは、夏に感染は鈍化するかもしれないが、大した効果はないということです。

 

Q:本当にパンデミックは中国から始まったのでしょうか?

A:そう思います。ですが、武漢の市場からとは思いません。おそらく、媒介した動物が育てられたところからだと思います。

 

(中略)

 

Q :メルケル首相はこの危機の間、その指導力で称賛されてきましたが、なぜでしょう?

A:首相はとてもよく勉強しています。彼女が科学者であること、数字が分かることが助けになっています。とはいえ、彼女の性格、思慮深さ、人を安心させる能力によることが大きいと思います。良い指導者が他と違う点は、今の状況を政争の具にしないことです。それが逆効果を招くと分かっているんです。

 

Q:夜眠れないのはなぜでしょう?

A:ドイツでは、病院はいっぱいではないのに、なぜ店を絞めなければならないんだと人々は思っています。彼らはここで起こっていることしか見ていない。ニューヨークやスペインの状況など見てないんです。これが予防パラドックスで、多くのドイツ人にとっては私は経済をダメにする邪悪な男なんです。殺すと脅迫されています。しかしもっと心配なのは、3人の子供がいるのに未来が心配だという内容のメールです。私の責任ではないのですが、そういうもので眠れなくなります。

 

ざっと以上ですが、意外だったのは、検査絞ってよしと述べてることですね。これはドイツがすでに感染下火なのでの発言だと思いますが、ある程度収まれば増やす必要ないということでしょうか。

 

あと、メルケル首相との信頼関係ができているようです。ここ大事ですね。安倍さんと西浦先生とか、どうなんだろうかとふと考えました。そして、コロナ対策を成功に導いたのにも関わらず、ドロステン氏を悪という人がいるのにも驚きました。きっと日本の専門家チームも分かってもらえない苦しみを味わっておられるのでしょう(涙)。ということで、ご迷惑にならないよう、私は今日も家で過ごした後、最近日課の夕方のご近所散歩に出かけることとします。

 

 

 

 


 

コロナ引きこもり生活、我が家の場合

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judybackによるPixabayからの画像


コロナで世界が一変しておりますが、我が家の生活も変わりました。いつも海外記事のご紹介なんですが、このところコロナ疲れの私ですので、ちょっと気分を変えて我が家の状況をお話ししたいと思います。

 

そもそも私はフリーランス、夫は自営で、在宅勤務をずっと以前からしていまして、コロナで世間のリモートワークが始まる前とほぼお仕事的には同じです。変わったことと言えば夫の出張が全くなくなりました。前は月に1回ぐらいは数日~数週間で消えてくれてたんですが、今ずっと一緒。たまにどっか行ってくれると、ごはんも適当、子供にはお金を渡しコンビニでご飯を食べてもらって、私はおばさん友達と気兼ねなく飲みに行けてよかったんですが…。「亭主元気で留守がいい」がなくなりました。(ノд-。)クスン。

 

うちは子供2人の4人家族です。上は大学生でイギリスにいたんですが、あちらのコロナがかなり深刻になり、学校が校舎を閉鎖、オンライン授業に切り替わりました。外国人学生には帰国したければ帰ってよいという指示が出て、イギリス人のクラスメイトも続々と帰宅するなか、このまま独りぼっちで残るのは辛すぎということで、3月下旬に帰ってきました。日本政府が欧州からの帰国者にPCR検査を空港で義務付ける前のことでしたので、検査なしで入国。夫が空港まで車で迎えに行き自主的に2週間家で隔離生活を送りました。幸いにも感染してなかったようで元気です。

 

上の子供が住んでいたのはロンドンから遠い地方都市だったので当時はまだそんなに感染は広がっていなかったと思います。が、帰りの乗り換え地、ドバイ空港の検疫所がカオスだったとのこと。感染を恐れガスマスクとか防護服姿の人までおり、検疫エリアは押すな押すなの大行列だったらしいです。ソーシャルディスタンシング皆無。「あー、ここで感染するかも」、と本人が覚悟したそうです。幸いにもドバイからのフライトはほとんどだれもおらずで、席一列占領。到着した日本の空港もひっそりとしていたそうです。その数日後から欧米の状態が悪化してさらに帰国者が増えたようですので、早く帰らせて正解だったと思います。

 

下は高校生ですが、私立校のため比較的IT環境がよく、オンライン授業が始まりました。最初はグーグルフォームで出欠確認、あとは自習ね、みたいないい加減さだったのですが、最近はグーグルHangouts Meetなどを利用してのオンライン講義になっている模様。今日ゴミの日だったので、子供の部屋のゴミ箱のゴミ回収しようと勝手に部屋に入ったら「今、授業中」としかられてしまいました。おまけに、「あーっ、そこダメ、映ってる」と言われ、いきなりBBCインタビュー中にお子さんが部屋に乱入してきた大学教授の逆バージョンに(汗)。髪ぼさぼさのジャージ姿なのに先生に見られたかも…。明日からは時間割を確認することにします。

 

数学とか普通の授業はなんとかなってますが、体育や音楽なんかはやはり厳しいですよね。現在は、球技のルールを答えましょう、みたいな簡単なテストで終了しているとのことです。子供大喜び。ただ、みんなと会えないのは辛いみたいですね。夜中に友達とラインで大爆笑してることもあります。以前なら「うるさいーっ」と怒鳴るところなんですが、今はじっと耐えてます、私。

 

上の子のオンライン授業も始まるのですが、パフォーミングアーツの専攻なので、なんとダンスと歌があります。日本の狭い家でどーやって踊るんだ?しかも時差があるので、夜の授業。いきなり深夜に歌い出すとか踊り出すと、ご近所から苦情が来そうで密かに心配です。我々家族も歌で目が覚めそうだし。こんな不便なのにどうも学費は満額取られるみたいで、あーあ、まだ1学期だけならいいんですが、この先長くなると大学側に苦情が出るでしょうね。まあどこの国も同じ状況だと思いますが…。

 

早くどうにかしてもらいたい。世界のみんなが同じ気持ちでしょうけど…。普通の生活がいかにありがたかったか分かります。できるだけ早くいつもの生活に戻すためには、やはり家に閉じこもっているしかないですね。ということで、今日もおうちでがんばろう。

検査と追跡はセット!中国に学ぶコロナ鎮圧

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桜が美しい春になりましたが、新型コロナ、ついに東京でも1日3桁に突入し、ロックダウンも近いのではという声も聞かれます。これまで日本のクラスター対策班の努力で効率的に感染者の発見が進んできたと思うのですが、経路の追えない感染がかなり増えており、とっても心配です。

 

欧米や日本で感染が拡大するなか、中国ではすでに感染は収まり、抑制の時期に入っています。コロナ鎮圧の第2期に真っ先に突入ということですね。

www.npr.org

こちらの米公共ラジオ網の記事によれば、新たな感染はほとんどが海外からの「輸入例」です。香港大学の疫学者ベン・カウリング氏によれば、中国の場合は、海外からの旅行者による感染が市中に広がる可能性はほぼないとのこと。まず入国後14日間の隔離検疫が義務付けられており、衛生当局の厳しい監視を受けます。感染が見つかった場合はすぐに患者として隔離。接触者の追跡が行われ、これらの人も全員隔離です。これにより、一般社会への感染者の流出が食い止められるというわけです。

 

日本も帰国者は公共交通機関使用不可、ホテルや自宅で14日間自主隔離ということになっていますが、新幹線で帰る人や、症状が出た時点でお医者さんに駆け込んだりする人の事例が報道されており、帰国者の誠意に頼るというやり方に限界を感じますね。私は空港近隣ホテルを政府が借り上げて全員14日間隔離、費用は健康保険加入を前提に3割負担でいいと思っています。旅行者は当然、全額負担。ただ入国制限出ているので、日本人以外はそんなに多くないでしょうね。

 

この記事の指摘でもう一つ大事なのは、中国のコロナ対策がソーシャルディスタンシングと感染経路追跡のセットになっているということです。ニューヨーク、北イタリア、スペイン、フランスで爆発的感染が起こっていますが、いずれの国よりもロックダウンは徹底しています。ほぼ完全封鎖だったので早く感染者数を低下させることができたと。そして、大量検査からの感染者特定→隔離でさらなる効果が生まれたということです。私が調べる限り、多くの国では検査数は増やしても、感染経路を追跡して感染の鎖を断ち切るという作業ができていないため、検査が個人の安心をもたらすところで終了している気がします。

 

現在の中国は様子を見ながら少しずつ制限を解除しているのですが、比較的通常に近い形に今後1、2か月で戻し、あとは検査、追跡、隔離によって感染を低レベルに保とうとしているということでした。

 

欧米でも出口戦略が考えられているようですが、感染を増やさずソーシャルディスタンシングを緩めるというのはかなり至難の業のようです。特にアメリカの場合は州ごとに感染のピークが違い、州ごとに対策を取っているため、例えばニューヨークが収まっても他の都市や州で感染が広がっていれば、移動の規制をやめるわけにはいかなくなります。カウリング氏によれば、最悪のシナリオは全米各地で感染の再発が勃発し、ロックダウンが繰り返されることだそうです。現状アメリカ全体を見た場合、感染抑止の正解というのが見えないようです。中国の状況を参考にするというのが今のところ妥当な選択といえます。

 

日本の場合は追跡はずっとできてきたのですが、検査数が少ないため、見逃しがあった可能性もありますね。今後欧米のように大感染になるかどうかは、我々一人ひとりの行動にかかっています。お花見シーズンですが、今年は遠くからそっと眺めようと思います。一般市民ができることは、不要不急の外出はしない、外出時はマスク着用(もちろん布製「アベノマスク」でもないよりいい)で人との距離を取ること、そして肌荒れしそうなほどのこまめな手洗いだと思います。ちなみに私はアトリックスハンドクリームのポンプタイプをたっぷり使用。石鹸とセットでお買い求めください(あら、企業の宣伝になっちゃったけどまあいいか)。

 

新型コロナのピーク迫る。ニューヨークの病院の覚悟

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Silas Camargo SilãoによるPixabayからの画像

アメリカの新型コロナ感染、深刻になってきました。

@AviSchiffmannが毎日ツイッターで感染状況を報告してくれておりますが、3月23日彼が発表してくれたアメリカの感染者は合計3万2346人、死者は415人となっております。

 

そんな中、ニューヨーク・プレスビティリアン病院の外科部長が同僚職員に送った手紙をニュースサイト、ProPublicaの副編集長がツイートしていたのでご紹介します。

ツイート投稿時でニューヨーク・プレスビティリアン病院NYP)では300人ほどの新型コロナ抗原陽性入院患者がおり、200人がテストの結果を待っています。1日で50%増です。この外科部長のもう一つの職場、コロンビア大学アーヴィング医療センターの陽性入院患者は37人から59人に一晩で増加。人工呼吸器が必要なのは10人から12人になりました。予想では、新型コロナのピークは22~30日以内と思われ、その際には700~934の集中治療室用ベッドが必要になります。控えめな予想でも他のキャパシティを合わせても、ICUの収容能力を超えます。医療資源の限界を考慮し、手術の予定も減らしているそうです。

 

医療従事者用の衛生用品も足りておらず、N95マスクはすでにほとんど在庫なし。NYP関係者の努力で非N95マスク15万枚を手に入れましたが、ピーク時ではわずか2日分の量にしかならないそうです。医療従事者の心の安定のため、職員には非N95マスクを1枚ずつ配るという決定をしたそうです。使うのは自分に症状が出たときとのこと。そのときまで大事に取っておいてと指示しています(涙)。

 

あとで脅威を過大評価し過ぎだったと謝まるぐらいのほうがよいと外科部長は慎重に準備をしているようです。そこまでしないと、次の数か月はホラーになってしまうからと。

 

1925年にジフテリアの抗毒素を載せた犬ぞりを引いてアラスカの町ノームに運んだ名犬バルトの物語に例え、今自分たちができるのは「そりに荷物を積み込み、そりの紐をチェックし、バルトに餌をやって、前に進むこと」と言っています。荷物はノームに届けなけらばならないと述べ、「家族も友達もご近所さんも、周囲はみんな怯え、動かず、仕事はなくなり、自分が大切な存在だと感じていることを忘れないで。だけど医療従事者ならだれでも、行動する喜びをいまだに享受している。これは特権なのだ!だから進むんだ」で締めくくっています。

 

副編集長はこのツイートでとても心配だとしていますが、やはり医療関係者は極限の状態を想定しているのでしょうね。同時にアメリカ人の強い精神力のようなものも感じます。なんとかがんばって、乗り切ってほしい、切にそう願います。