UK9報道部

良質な「コタツ記事」を目指します。海外ニュースがメイン。

わかしお座礁。なぜ船はモーリシャスに近づいたのか?

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unesourisetmoi bgによるPixabayからの画像

インド洋のモーリシャス沖合で、日本の海運会社、長鋪汽船の関連会社が所有する貨物船「わかしお」が座礁しました。8月6日には船内から燃料が周辺海域に流出。15日には船体が2つに割れるという事態になっております。この事故は観光地でもあるモーリシャスの自然に大きな被害を与えており、長期的に環境や海洋生物に深刻な影響を与えるということです。

 

ロイターによれば、これまでに流出した燃料は1000トンと見られています。船内にはまだ潤滑油など90トンの油が残っていると見られていますが、幸いなことに、流出した分を除く3000トンの燃料は12日までに回収されたと報じられています。長鋪汽船と運航会社の商船三井は現地での協力を約束しており、日本政府も出てきたようですので、誠意ある対応をぜひお願いしたいところです。

 

で、なんで自然豊かなエコツーリズムで観光客に人気のあるモーリシャスみたいなところに貨物船がやって来るんだろうと思うんですが、ブルームバーグによると、モーリシャスや近くのレユニオン島は、アジアの港とインド洋を結ぶマラッカ海峡からまっすぐ最短距離にあるからだそうです。またアジアと西アフリカ、ラテンアメリカ、欧州、北米を結ぶルートでもあるので、モーリシャスはまさに国際海運のハイウェイ上にあるということらしいです。東西を結ぶルートであれば、かなりの確率でモーリシャス付近を通ることになるそうです。

 

そもそも輸送ルートは、昔から陸に近くなる傾向があるとのこと。いまや衛星によるナビで遭難船を探すということも可能ですが、もし貨物船が陸から数千マイルも離れたところで遭難すれば専門の救助が駆けつけるまでに数日かかるので、陸に近いルートのほうが安全ということですね。

 

あと、日本のニュースでは乗組員がWi-Fiをつかむために陸に近づいたのではという報道がありましたが、船員にとっては高くて限られた衛星電話を使わず、家族に連絡できる方法だとブルームバーグも述べています。これが理由だったとすると何とも言えない気持ちなんですが…。

 

結局のところ、なぜ船がモーリシャス島付近まで来たのかはわからないということで、真相は今後の捜査で明らかになるだろうということです。他国では、船が近づくことを禁じたセーフティーゾーンを設けているところもあるということで、モーリシャスも今後同様の事故の発生を防ぐため、そうするべきと業界関係者は述べています。

 

国連貿易開発会議によれば、石油を運ぶタンカーの流出事故の場合は国際油濁補償基金(IOPC FUND)で補償されるそうですが、今回のケースは船自体の燃料の流出ですので、当てはまらないとのことです。適用されるなら、「燃料油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約(通称バンカー条約)」のほうということですが、こちらはIOPC FUNDに比べ補償は劣るということで、今後どれだけバンカー条約でコストや損失をカバーできるかはわからないということです。

 

日本のメディアの報道によれば、船主責任制限条約で事故に対し補償されるということです。これまでで最悪の環境汚染の一つになっているというニュースも聞きましたので、バンカー条約と合わせて十分な補償となることを願います。

ワクチン並みの効果あり。安価なコロナ検査が感染の連鎖を止める可能性

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Rondell MellingによるPixabayからの画像

日本のコロナ感染、最近ずっと高止まりしていますね。もう1日200人とか300人とか聞いても驚かなくなりましたもん。慣れって恐ろしい(汗)。検査数が増えているので陽性も増える、死者は前より少ない、っていうのは理解できるのですが、いったいどのぐらいまで静観しておいていいのかは悩みますね。相変わらずできることはマスクと手洗いと三密回避だけで、日本政府の指示待ちでしょうか?

 

数か月前、日本は「検査をせず感染隠し」、「2週間後にはニューヨーク」、「自粛だけじゃ無理」などと揶揄され、厳しい時期がありました。その後見事収束からの緊急事態宣言解除で、「日本のコロナ対策成功!」と小躍りして喜んだんですが…つかの間でした(涙)。第2波は1波よりひどくなるという話もあり、最初の努力は何だったんだと思う人も多いことでしょう。

 

しかし、見事に日本同様感染を抑えていたドイツ、オーストラリアなども最近感染再拡大の傾向です。また、多くの犠牲者を出して収まったスペインやフランスなどでも増えてきているようです。アメリカなどに至っては、大量検査をしているものの、もう止まらない感じ…。再ロックダウンに入るところなども出てきており、ワクチンが出来るまでは感染は収まらないという雰囲気です。そしてどこの国も同様のところで苦労していることが分かるのが次の記事です。

 

www.telegraph.co.uk

 

記事によりますと、世界各地のバーやナイトクラブなどでクラスターが発生しています。換気が悪く、開けられる窓が少ないためウイルスの温床になりやすいという場所的問題が一つ。そして人の問題としては、お酒を飲むことで気持ちが大きくなり感染への警戒が減ること、おしゃべりやダンスで距離が縮まることが上げられています。日本で言われている「夜の街」もここに入りますね。

 

日本も含め多くの国では、感染者を見つけるために接触者追跡を行っています。会社などは感染が見つかっても比較的感染源となった人や濃厚接触者の特定が容易ですが、見知らぬ人が集まるバーやクラブでは、だれがだれに接触したかを特定するのはかなり困難ということです。入店者に記名等の個人情報の提供を求める店もありますが、客が偽情報を書いている場合は、追跡不能となります。

 

ロックダウン後は我慢していた若者の活動がさかんになっており、どうしてもバーやクラブの感染が増えてしまうということ。そこで感染した人から、介護施設など新たなクラスターになり得るところにも広がって行くということです。ただ、夜の店を規制すれば経済への影響も大きく、有効な策は見つかっていないとのことです。難しいですね。

 

ですが、新たな希望が見えてきました。それがこちら。

news.harvard.edu

発想の転換というんでしょうか。現在のコロナの検査&追跡戦略は、精度の高い検査で感染者を見つけるもので、治療を前提にしていればよい方法なのですが、コストが高く、結果が出るのに時間を要するのが問題点とのことです。検査結果が出たころにはもう次の人に移している場合も多いと見られ、感染の連鎖を止めるという点では難ありとのことです。

 

で、ハーバード大学の疫学者、マイケル・ミナ氏が推しているのが安くて自宅で調べられる検査です。見た感じ、リトマス試験紙的な、または妊娠検査薬キットみたいな感じですね。鼻拭いをして専門機関で調べる現在のPCR検査ほどの精度はないですが、その場ですぐ結果が分かり、費用も1回1ドル程度=100円ほどという安さです。これを毎日行い、陽性と出た人はとにかく自宅待機ということにすれば、職場や学校、外出先で他人に移す確率が大幅に低下するはずで、ワクチンに匹敵するほどの効果があるとミナ氏は述べています。さらに陽性となった人だけ再度鼻拭いのPCR検査でチェックするシステムにすれば検査機関や病院の負担も減りますし、症状が軽ければ、陰性になるまで毎日チェックすればいいということ。なかなか優れたアイディアだと思います。

 

これを無料で国がやるとしても、長期的にみればその恩恵は費用を上回るかもしれませんね。感染ゼロにはならずとも、かなりの数の感染の連鎖を断ち切ることができ、集団感染を数週間で消すことができるとミナ氏は述べており、ワクチンの開発の緊急性の緩和にもつながるとしています。これこそが「ワープスピード」でやることではないかということです(トランプさん聞いてる?)。

 

今のところこういった検査キットを作っている会社はいずれも小規模で、アメリカだけでも全体に行きわたるだけの数をすぐ作れないことが一つの問題点ということ。また、FDA(米食品医薬局)の認可もどれだけ検査キットの精度が高まるかによるとされているそうです。

 

でも期待してしまいますね。日本でやるとして、1回100円なら月一人3000円ほど。保険適用ありなら30円ほどになるので、毎日やっても一人月1000円もいかないですね。不織布マスクより安い(笑)。日本でも同じような考えのお医者さんのツイートなども見ましたので、検討されているとよいなと思います。

日本は伸びしろあり!自由貿易協定とチーズ市場

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Free-PhotosによるPixabayからの画像

突然ですがチーズ、大好きです。

特に赤ワインとバゲットとチーズの組み合わせ最高!これだけで延々飲めると思っている私です。あ~、今すぐ飲みたいっ。

 

さて、数日前にこんなツイートがありまして、世の中の皆さんもやはりチーズがお好きなんだということが分かりました。

朝日新聞のヨーロッパ総局長の国末さんという方のツイートです。で、その続きあり。

この投稿に、たくさんチーズ好きの方々からのコメントがついてまして、横から楽しく読ませていただきました。私はスティルトン、結構食べたことあります。イギリスで、「イギリス来たならスティルトン食べなさい」ということで、地元のチーズとして初めて勧められたのが20年ぐらい前でしょうか。もともとブルーチーズなどの臭い系熟成チーズが好きなほうなのでおいしく感じました。

 

シャープなチェダーチーズに青かびっていう感じでしょうか。無塩クラッカーとかに付けて食べるとおいしいですね。イギリスとブルーチーズという組み合わせが意外な気がしたんですが、実は国末さんも書かれているように、世界三大ブルーチーズの一つなんだそうです。

 

ウィキペディアによりますと、名前の由来はケンブリッジシャー(ガンダムのシャーじゃなくて。シャーは州のような自治体の単位です)のスティルトン村にあります。1730年にこの村で旅館を営む人が、レスターシャーの田舎の村にある農場を訪れ、ここで特徴的なブルーチーズを発見。自分の旅館でこれを独占販売する権利を手に入れ、このチーズを売り込んだということです。なので、生産はスティルトン村ではないんです。現在は、ダービーシャー、レスターシャー、ノッティンガムシャーで作られたものだけが、スティルトンという名称を使うことができるそうです。

 

日本ではあまりスティルトンは売ってないですね。東京なら結構あるのかもですが、私の住んでいる町では輸入品店で小さなこぎれいに包装されたものが売ってます。イギリスだと塊でどーんと出してくれてナイフで切り分けて食べますので、日本のはすごく小さくお上品に感じますが、お値段は結構しますね。私は実は自分で買うなら、ゴルゴンゾーラ派です(ごめん)。

 

で、日英通商交渉ではイギリスがスティルトンを買ってくれーっ、とプッシュしたのでまとまらなかったということです。固執した理由は、日本がEUとの協定で、チーズの関税を将来的にゼロにすると合意しており、イギリス側の担当者にEUと同等かそれ以上の条件を勝ち取りたいというプライドがあった感じですね。離脱して一人ぼっちでも気位は高いんでしょうか(ちょっと意地悪)。

 

ただ、日本のチーズ市場は欧州から注目されているのは事実のようです。2018年のAFPの記事によりますと、日本のチーズの消費は、2007年の27万9000トンから10年で33万8000トンまで増加。一人当たりの年間消費量は2.66キロで、フランスの27.2キロ、ドイツの24.7キロ、デンマークの28.1キロに比べると圧倒的に少ないです。伸びしろ十分!さらに国内消費の4分の3は、主にオセアニアからの輸入品であり、欧州産の関税が下がれば、質と価格で競争に参入できると思われます。

 

これまではワインのお供に欧州産のちょっとおいしいチーズを買う、という消費者(私のことでしょうか?)が中心ターゲットでしたが、価格が下がることにより、幅広い層の需要が見込まれるということです。日本はこれからチーズにとってはホットな市場になりそうですね。私は安くておいしいチーズ大歓迎です。コストコにいかなくても、ご近所でいろんなチーズが、たっぷり楽しめるようになればうれしい限りです。

 

 

現職大統領再選で対立候補国外へ。独裁国家ベラルーシどうなる?

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Zdeněk FekarによるPixabayからの画像

ここ数日、私のツイッターのタイムラインにベラルーシに関するコメントが増えてきました。ベラルーシ?旧ソビエト連邦の一部だったような…、ぐらいのお恥ずかしい認識しかないのですが、どうも選挙で混乱があったようで、現職6選という結果に不正があったのではというお話になっていました。せっかくなんで調べてみました。

 

まず、ベラルーシですが、やはり東欧の旧ソ連国家で、ロシア、ウクライナポーランドリトアニアラトビアに挟まれた内陸国です。ソ連崩壊で1991年に独立。1994年以来アレクサンドル・ルカチェンコが大統領を務めており、事実上の独裁国家となっています。BBCによれば、ルカチェンコによる独裁を西側諸国は批判しており、米ブッシュ政権は2005年に「欧州最後の独裁者」と呼んでいます。ルカチェンコは、野党の抗議運動に参加するものはすべて「テロリスト」として扱うと述べており、人権団体などにも非難されているそうです。

 

で、8月9日に大統領選があったのですが、今回は対立候補としてスベトラーナ・チハノフスカヤ氏が出馬しており、非常に人気が高かったのですが、なぜか80%以上の票を獲得し現職が圧勝しています。BBCは、不正選挙だった可能性を指摘しており、チハノフスカヤ氏も結果は受け入れられないと主張していました。首都ミンスクでは選挙結果に抗議するデモ参加者と警察の衝突が続いており、チハノフスカヤ氏はリトアニアに国外脱出したというところまでが、今日までに起きていることです。

 

チハノフスカヤ氏が大統領選に出馬した経緯を、アルジャジーラが詳しく説明しています。

www.aljazeera.com

チハノフスカヤ氏は37歳。元教師で主婦で2児の母という肩書きで、政治経験はゼロです。立候補したのは、立候補予定だった夫で人気YouTubeブロガーのセルゲイ氏が逮捕されたためで、夫の事件に注目が集まり、釈放の助けになることを願ったからだそうです。まさか立候補が当局から認められるとは思っていなかったそうですが、予想に反して許可され出馬の運びとなりました。

 

立候補登録して数日で、チハノフスカヤ氏の選挙運動には群衆が集まるようになりました。ミンスクではなんと6万3000人が選挙イベントに集結。古参の野党政治家でも苦戦する地方の選挙運動でも、数千人が集まるという異例の状況になり、26年間のルカチェンコ独裁がついに終わるのではないかと期待されるまでになっていました。

 

チハノフスカヤ氏が最強の野党候補になれたのはいくつかの理由があるとアルジャジーラは解説しています。まず、当局が彼女を政治的脅威と認識していなかったことが上げられており、弱小候補、とくに女性などいつでも潰せると考えたのが誤算だったということです。

 

チハノフスカヤ氏は、出馬資格をはく奪されたビクトル・ババリコ氏、バレリ・ツェプカロ氏という2人の野党議員の支持を得ており、ババリコ氏のキャンペーン・マネージャーとツェプカロ氏の妻がバックアップしたことも成功の理由とされています。3人の女性が団結して選挙を戦い、現職の男性上位主義に挑むというスタイルが共感を得たようです。また、チハノフスカヤ氏が元銀行員のババリコ氏、元外交官のツェプカロ氏、夫のセルゲイ氏を中心としたベラルーシ政治の新勢力の象徴であり、変化の手段と人々から見られたことも大きかったとされています。さらにもともと国内には反ルカチェンコ感情が広がっており、こちらもチハノフスカヤ氏に有利に働いたと見られます。

 

もう一つのBBCの記事によれば、チハノフスカヤ氏はベラルーシを脱出するという決断は自身が決めたことで、選挙前にリトアニアに避難させていた子供たちのためだとビデオで発表しています。しかし支援者たちは、政府の圧力で国外脱出をさせられたと見ているようです。

 

チハノフスカヤ氏は今でもヒーローであり、出馬は国内でも評価されていますが、やはり独裁者を追い出すというのは難しいようです。今後のデモや政府の動きが注目されますね。

 

米大統領選トランプ vs バイデン。予想屋より当たる米大学教授が選んだのはどちら?

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Tibor Janosi MozesによるPixabayからの画像

米大統領選、11月ですね。トランプさんの再選があるかどうかなんですが、巷では隠れトランプもいるという噂もあり、案外2期目が来るかも説もありますね。個人的にはやめてほしいです。

 

で、アラン・リクトマンさんという大学教授をご存じでしょうか?この方アメリカン大学で歴史を教えているそうですが、1984年以来大統領選の勝者を当て続けている人なんです。リクトマン先生の今年の予想が出てます。

www.fox5dc.com

 

結論から言いますと、先生の予想はバイデン氏勝利。先生は勝者決定のため、13のカテゴリーを分析しているそうです。見ているポイントは、候補者の全体像はもちろん、スキャンダル、社会的な不安、経済、政策変更なども含まれているそうです。もしも6つ以上のカテゴリーで候補者が制御不能と判断された場合は、落選と判断しているとのこと。

 

2016年の選挙では、トランプ当選を当てた人は少なかったのですが、今年は予測は難しくないとのこと。コロナ以前は、先生はトランプ氏が再選の軌道にあると思っていたそうですが、「国が直面する危機に対処するよりも、彼は言い繕うことができると考えてしまった」とトランプ氏の態度に言及し、再選はないとの判断です。コロナの扱いを間違えてしまったため、「短期的経済」、「長期的経済」、「広がった社会不安」という3つのカテゴリーで落第。さらに「中間選挙での敗北」、「自身の弾劾」、「軍事的成功の欠如」といった内容が足を引っ張り、2期目はバイデン氏に阻まれるとの予測です。

 

もっとも、トランプ氏は最近ではバイデン氏の認知機能について疑問を投げかけるという戦略に出ているようです。バイデン氏は77歳。記者の認知力テストを受けたかという質問に対しては、必要ないから受けてないと返していますが、当選すれば史上最高齢の大統領になる運びで、私的にはちょっと心配な気も。ただ、周りのブレーンやスタッフがしっかりしていれば、いけそうな気がしますね。

 

自分の認知テストは素晴らしい結果だったと声を大にして宣伝しているトランプ氏のほうも74歳ということで、年齢的には五十歩百歩かも…。また相手の認知機能を攻撃する戦略は、年配有権者を遠ざける可能性もあり、ちょっとヤバいのではという意見もメディアからは出ているようです。

 

オバマさんが当選したころはアメリカって若くてエネルギッシュな国というイメージだったんですが、今回は老々決選ということで、フレッシュ感ゼロ(笑)。まあ、リクトマン先生の予想が当たることを祈ります。

ベーコンまで出来てた!培養肉、食卓にまた一歩近づく。

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Jörg HusemannによるPixabayからの画像

培養肉をご存じでしょうか?

家畜の細胞から作られた研究室出身のお肉のことなんですが、結構前から記事にしていまして、ここ数年でさらに進歩しています。最近の記事をどうぞ。

newsphere.jp

これまでも牛豚鶏と、様々な培養肉が登場してきたのですが、中でも肉の脂肪の感じを出すのが難しかったようです。ところが、最近本格的なのが登場したようです。それはこちら。

www.forbes.com

培養肉のベーコンです。ミッション・バーンズという会社が作っているのですが、テイスティングコンサルタントという名目で、この「ミッション・ベーコン」を試食してくれる人を50~100人探しているとのこと。現在市場にはまだ培養肉は流通していないので、非常にレアな機会になるということです。試食者に選ばれると味の評価などをすると同時に、問題が起こった際の「権利放棄」にサインを求められるということです。製品自体はまだ食品としての認可を受けていないため、このあたりはちょっと怖い。

 

8月中旬から、サンフランシスコのベイエリアの有名レストランが「ミッション・ベーコン」を使った料理を試食者に提供するとのこと。残念ながらコロナの影響で店内試食は難しいようで、持ち帰りか外のスペースでの提供になるということです。もっともレシピの考案はミッション・バーンズの商品開発ディレクターということで、レストランは料理して出すだけみたいですね。

 

通常の培養肉は、動物の筋細胞を筋細胞用培地(栄養を供給し、生育環境を提供するもの)を使って育てるのですが、これが大変お高いんだそうです。しかしミッション・ベーコンは豚の細胞を取り出して、高価な培地を使わず栄養と砂糖を与えて脂肪がたっぷりつくまで育てるとのこと。脂肪細胞を作るほうが安くて簡単らしいです。この辺の説明、理系じゃないので間違っているかも(汗)。

 

世界には数十社の培養肉を開発する企業があるということですが、ミッション・ベーコンはかなり市場に近づいてきたようです。8月の試食でまた一歩商業化に近づくわけですが、いつお店の棚に並ぶかはまだわからないということです。国の規制とか解決すべき問題もたくさんありそうですもんね。

 

私は動物を殺さないでおいしい肉が食べれるという点では大歓迎ですが、やはり未知の食べ物ということで試食にも引き気味です、今のところ。でも数年後にはみんな普通に食べていて、本物の肉のほうが超貴重品になっていたりするかもしれませんね。科学の進歩はまだまだ続きそうです。

 

 

 

航空会社から陰性証明を求められて、PCR検査をやってくれる病院を探してみた

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ramboldheinerによるPixabayからの画像

前回ブログ更新から1か月も経っていました。日々仕事に家庭のことにと忙しく、気が付いたらもう8月。早いです。

 

さて、いろいろ忙しくなった一つの理由は、コロナで子供たちがずーっと家にいることでした。飯は食べるは小遣いは使うわで、母は小銭稼ぎで仕事大忙し(なわけでもなかったかも…)。オンライン授業も終わったので、上の大学生はアルバイトに出ようと思ったところ、8月いっぱいという短期に加え、このご時世で「スーパーの買い物かごをシュッシュする仕事(本当に見出しにそう書いてあった…かごの消毒と思われます)」とか「精肉販売用の肉を切る仕事(欧米では食肉加工場でクラスター発生でした)」なんかばっかりで、去年のようなデパートの試食販売みたいなお仕事はほとんどなかったようです。今はフルーツの袋詰めという日払いバイトに応募中みたいです。

 

で、こんな大学生も9月から大学に戻る運びとなりました。スコットランドの大学に行っており、3月にイギリスのコロナが広がりつつあるときに戻ってきたので、半年ぶりのイギリス渡航となります。日本までは、エミレーツ航空の往復航空券を大慌てで買って帰ってきました。復路はもう捨ててもいいやということで、適当な予約を入れていましたが、航空会社が1年間予約変更OKとしたため、9月に予約変更ができました!

 

スコットランドへは、ドバイ経由でグラスゴー空港まで行くことになります。日本からイギリスの場合は、14日間の自主隔離をすればよいようなので、アパートに1人で籠れば問題なし。しかし、意外なところで問題が持ち上がりました。なんとエミレーツ航空が8月1日より、トランジット客にもPCR検査による陰性証明提出を求めるとしていたんです。

www.emirates.com

 

ええーっ、これは大変!母はすぐ、住んでいる地域でPCR検査をしてくれる病院をググりましたよ。そして「ビジネス渡航者へのPCR検査の検体採取及び検査証明の発行が可能な医療機関」というPDF資料にたどり着きました。これによりますと、我が家から行ける医療機関は数件です。さらにビジネスじゃなくて留学なんですが、まあ同じだろうということで、とりあえず近いところから電話をしてみました。

 

1つ目は、ビジネス渡航者に限定しているのでだめ、ということでした。冷たい…。2つ目は、ビジネスの場合は会社からの依頼レターを、留学の場合は学校からの依頼レターがなければ検査できないという、これまた厳しいお返事。航空会社から求められているんですと言っても、無理ですというお答えでした。このあたりの反応を聞くと、多分、渡航目的ではなく心配でPCRを受けたいという人をシャットアウトする策なのではないかと思えます。やはり日本は検査スンナ派なのか…。

 

3つ目は、なんと、すんなりOKでした!とても事務的に、「海外渡航の方ですね。いつご希望しょう?」と言われました。搭乗の96時間前までに検査を受けろとエミレーツ航空の指示にありますので、出発3日前を大急ぎでカレンダーで確認し、希望日を伝えました。「当院ホームページの注意事項は確認されていますね」と聞かれたので、「はい」と返事(一応事前にチェックはしていました~)。「予約日と名前を明記してメールしてください。詳細をお送りします」と言われ終了。なんだかすんなり&さっぱりでびっくり。どうもこの病院は、世間の病院が第一波の際、疑いのある患者の受診拒否をしていたときに、発熱外来を設置して診療をされていたようです。コロナに理解のある病院なんだろうと察します。

 

ただ、お値段は高いです(涙)。費用は鼻拭いのPCR検査と英文診断書で4万円弱。今からエミレーツ以外のPCRを課さない航空会社のチケットを買っても、ディスカウントで片道10万円強だったので、こっちのほうがまだ安いかなと。それに、別の航空会社もコロナの感染状況によっては、PCRを課してくる可能性もありますしね。

 

予約できたからといって、安心は禁物です。病院から送られてきた注意点では、基本翌々日に結果が教えてもらえるはずなんですが、人によっては「判定保留」となり、結果がいつでるか保証はできないとのこと。もしそうなったらもう飛行機には間に合わないですね(汗)。さらに病院自体でスタッフに感染者が出た場合、休診となり検査ができないこともあると。こういったリスクも理解しての検査だそうです。不安…。

 

そもそも96時間前にやったPCR検査で陰性が証明できるかと言われればそうではないですよね。検査後に夜の街で遊んだら、感染してるかもしれませんし。個人的にはあまり意味がない気がしますし、日本のような検査が受けにくい国の人は、エミレーツ航空使わなくなると思いますけど…。

 

と思ったら、こんな記事を発見しました。

www.aviationwire.jp

利用客がコロナにかかった場合、搭乗から31日間医療費を保証するそうです。だから、搭乗の際にかかってないことを証明しろということなんですね。分かりました。でも、この検査を受けるための手間や費用や心配を考えたら、こんなサービスいらないんですが…。

 

子供の出発まであと1か月。この後にさらなる変更やいろいろ面倒なことが起きませんように。母は神に祈るばかりです。