UK9報道部

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ワクチン並みの効果あり。安価なコロナ検査が感染の連鎖を止める可能性

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Rondell MellingによるPixabayからの画像

日本のコロナ感染、最近ずっと高止まりしていますね。もう1日200人とか300人とか聞いても驚かなくなりましたもん。慣れって恐ろしい(汗)。検査数が増えているので陽性も増える、死者は前より少ない、っていうのは理解できるのですが、いったいどのぐらいまで静観しておいていいのかは悩みますね。相変わらずできることはマスクと手洗いと三密回避だけで、日本政府の指示待ちでしょうか?

 

数か月前、日本は「検査をせず感染隠し」、「2週間後にはニューヨーク」、「自粛だけじゃ無理」などと揶揄され、厳しい時期がありました。その後見事収束からの緊急事態宣言解除で、「日本のコロナ対策成功!」と小躍りして喜んだんですが…つかの間でした(涙)。第2波は1波よりひどくなるという話もあり、最初の努力は何だったんだと思う人も多いことでしょう。

 

しかし、見事に日本同様感染を抑えていたドイツ、オーストラリアなども最近感染再拡大の傾向です。また、多くの犠牲者を出して収まったスペインやフランスなどでも増えてきているようです。アメリカなどに至っては、大量検査をしているものの、もう止まらない感じ…。再ロックダウンに入るところなども出てきており、ワクチンが出来るまでは感染は収まらないという雰囲気です。そしてどこの国も同様のところで苦労していることが分かるのが次の記事です。

 

www.telegraph.co.uk

 

記事によりますと、世界各地のバーやナイトクラブなどでクラスターが発生しています。換気が悪く、開けられる窓が少ないためウイルスの温床になりやすいという場所的問題が一つ。そして人の問題としては、お酒を飲むことで気持ちが大きくなり感染への警戒が減ること、おしゃべりやダンスで距離が縮まることが上げられています。日本で言われている「夜の街」もここに入りますね。

 

日本も含め多くの国では、感染者を見つけるために接触者追跡を行っています。会社などは感染が見つかっても比較的感染源となった人や濃厚接触者の特定が容易ですが、見知らぬ人が集まるバーやクラブでは、だれがだれに接触したかを特定するのはかなり困難ということです。入店者に記名等の個人情報の提供を求める店もありますが、客が偽情報を書いている場合は、追跡不能となります。

 

ロックダウン後は我慢していた若者の活動がさかんになっており、どうしてもバーやクラブの感染が増えてしまうということ。そこで感染した人から、介護施設など新たなクラスターになり得るところにも広がって行くということです。ただ、夜の店を規制すれば経済への影響も大きく、有効な策は見つかっていないとのことです。難しいですね。

 

ですが、新たな希望が見えてきました。それがこちら。

news.harvard.edu

発想の転換というんでしょうか。現在のコロナの検査&追跡戦略は、精度の高い検査で感染者を見つけるもので、治療を前提にしていればよい方法なのですが、コストが高く、結果が出るのに時間を要するのが問題点とのことです。検査結果が出たころにはもう次の人に移している場合も多いと見られ、感染の連鎖を止めるという点では難ありとのことです。

 

で、ハーバード大学の疫学者、マイケル・ミナ氏が推しているのが安くて自宅で調べられる検査です。見た感じ、リトマス試験紙的な、または妊娠検査薬キットみたいな感じですね。鼻拭いをして専門機関で調べる現在のPCR検査ほどの精度はないですが、その場ですぐ結果が分かり、費用も1回1ドル程度=100円ほどという安さです。これを毎日行い、陽性と出た人はとにかく自宅待機ということにすれば、職場や学校、外出先で他人に移す確率が大幅に低下するはずで、ワクチンに匹敵するほどの効果があるとミナ氏は述べています。さらに陽性となった人だけ再度鼻拭いのPCR検査でチェックするシステムにすれば検査機関や病院の負担も減りますし、症状が軽ければ、陰性になるまで毎日チェックすればいいということ。なかなか優れたアイディアだと思います。

 

これを無料で国がやるとしても、長期的にみればその恩恵は費用を上回るかもしれませんね。感染ゼロにはならずとも、かなりの数の感染の連鎖を断ち切ることができ、集団感染を数週間で消すことができるとミナ氏は述べており、ワクチンの開発の緊急性の緩和にもつながるとしています。これこそが「ワープスピード」でやることではないかということです(トランプさん聞いてる?)。

 

今のところこういった検査キットを作っている会社はいずれも小規模で、アメリカだけでも全体に行きわたるだけの数をすぐ作れないことが一つの問題点ということ。また、FDA(米食品医薬局)の認可もどれだけ検査キットの精度が高まるかによるとされているそうです。

 

でも期待してしまいますね。日本でやるとして、1回100円なら月一人3000円ほど。保険適用ありなら30円ほどになるので、毎日やっても一人月1000円もいかないですね。不織布マスクより安い(笑)。日本でも同じような考えのお医者さんのツイートなども見ましたので、検討されているとよいなと思います。