UK9報道部

良質な「コタツ記事」を目指します。海外ニュースがメイン。

イギリスでコロナの変異種感染拡大。今からどうすべき?

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paulohabreufによるPixabayからの画像

昨日あたりから、イギリスで新型コロナウイルスの変異株の感染の話が大きく報じられています。感染力が高い、重症化するのでは、ワクチン効かないかも、など様々な懸念が出ているようです。

そのあたり昨日の時点で分かっていることをまとめていますのでどうぞ。

 

newsphere.jp

 

このニュースにより、欧州を中心に各国がイギリスへの渡航規制を始めましたが、以下ツイートによれば、正しい対応のようです。

 コロナの進化をずっとリアルタイムで追跡しているNextstrainという機関の関係者Emma Hodcroftさんという方のツイートです。すでにイギリスの変異種が欧州の他の国に広がっているとすれば、もうフライトを止めても遅いのではという考えもありますが、手短に言って、大事なのは数だと。変異種に感染している人は欧州大陸では今でもあまりいないと思われ、検査、追跡、特定、規制で、次への感染は防げるわけです。だから増える前に少ないうちに手を打った方がいいというのは当たり前です。

 

Hodcroftさんは、WHOのマイケル・ライアン氏の言葉を思い出したといいます。それは、「感染症対策の最大の失敗は、動かないこと。とにかく不完全でもいいからすぐ対策に乗り出せ」というものです。ベテラン経験談ですので説得力がありますね。

 

しかし実際にはバランスも大切で、今の時点では情報が少なすぎて、バッサリ渡航規制だけで対応だと経済や生活、また政府への信頼にダメージを与える可能性があるのは事実とのことです。

 

現実問題、ずっと渡航制限というのは難しいですね。では具体的にどうすべきかというと、今の一時的な渡航制限の時間を利用して、今後の地域の 行動プランを作るべきとのこと。

・検査・追跡を強化

・変異種感染を迅速に探知できる検査の開発

・イギリスからの旅行やツーリズムが多い地域のチェック

・シーケンシング(DNAなどの核酸塩基配列を読み取る作業)の強化

などです。プラスイギリスからの入国も、条件を付けたりすることが必要とのこと。

 

 

新型コロナにおいては、海外で感染が拡大していく様子を見ながら、自国に影響が現れるまで何もしないというのがこれまでの「呪い」のパターンだったということで、今回は警戒と連携でこの呪いを打ち破らなければということです。

 

日本でも、水際対策を強化するという考えを加藤官房長官が示していますね。

www.sankei.com

現状医療崩壊の懸念などもあり、日本としてはもしも変異種が言われているように感染力が強ければ、入ってきたら大混乱は間違いなしです。いつも対策後手後手な感じですので、今回は水際で必ず止める、ぐらいの覚悟で対応していただきたいと思います。できるかなあ…(汗)。

 

ファウチ効果?アメリカで医学部志願者が急増

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アメリカもバイデン政権への移行準備が着々と進んでいますが、コロナ対策も相当まともになってきているようです。

www.bbc.com

バイデンさん、予防対策もしつつワクチンどんどん打つよって言ってますね。とんでも大統領のトランプさんがワープスピードで開発に協力したこともあり(これだけは正しかった)、ファイザーやモデルナのワクチンが使えるのは間近ですので1億回も嘘ではなさそうです。

 

で、今日のお題は、トランプ政権のコロナ対策アドバイザーだったアンソニー・ファウチさんにまつわるお話です。ものすごい有能な人なのですが、科学を軽視するトランプさんには冷遇されていました。詳細は以下8月の記事をどうぞ。

newsphere.jp

現在でも国民からの人気は絶大で、バイデン政権でもコロナ対策のメディカルアドバイザーの職をオファーされています。もちろん承諾されてますね。

 

トランプさんのめちゃくちゃな科学を否定するコロナ感とは対照的に、科学を信じてとにかく感染抑止を訴え続けたファウチさんの姿は若者たちにも感銘を与えたようで、なんとメディカルスクール(医学部にあたりますが、アメリカでは大学卒業してから進学ですので専門職大学院のような位置づけということです)への進学を志す人がぐっと増えたとのことです。

 

www.npr.org

アメリカの大学ではコロナで軒並み学生が減っているらしいんですが、なんとメディカルスクールの志願者は昨年から18%アップ。同時多発テロが起きた2001年の後に軍に志願する若者が増えたらしいんですが、そちらを思い起こさせる増加ぶりとのことです。

 

メディカルスクールの入学事務局の人々の間では、これを「ファウチ効果」と呼んでるんだそうです。ファウチさん自身は、そういわれるととてもうれしいと謙虚で、ファウチ効果というより、人々の、そして世界の健康のために貢献しようとする1人の医師の影響と見たほうがいいのではないかと話しています。そしてよりたくさんの若者が医学を志すことになるのなら、どんどん自分の名前を使って構わない、歓迎すると述べています。心が広い!

 

医学部志願者が増えたもう一つの理由として上げられているのが、コロナで自由な時間が増えたこととか。医学部進学にはテストなど様々な準備が必要なのですが、それをしっかりやる時間的余裕が生まれたことも学生の背中を押しているようです。

 

ただ、医学部進学には大金が必要で、学生一人当たり平均24万ドル(約2400万円)の借金を抱える計算になるそうです。また、黒人、ヒスパニックなどマイノリティの比率も小さいことも問題だと記事では指摘されています。

 

ファウチさんは、メディカルスクール志願者が増えたことは、自分だけでなく社会のためを思う人が増えた結果だと見ているそうです。今回のコロナ感染爆発で、私はアメリカに非常に失望し、もうダメだなと正直何度も思ったのですが、こういうところがアメリカの底力ですよね。映画みたいに必ず正義の人々が湧いてくる(笑)。

 

日本の場合はコロナの被害はアメリカよりずっと少ないのですが、世界での多大な被害を見て、科学や医学を志す若者が増えるとよいなと思います。日本政府さん、未来の日本を背負う若者に、お金のほうの面倒、しっかり見てあげてくださいね。

違いはあまりに大きい。トランスジェンダーに女子競技スポーツは開くべきか?

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世界各地を第2波だか3波だかが襲ってますが、東京五輪やるっていってますね。具体的に観光客はワクチンなしでも入国OK。陰性証明付けてアプリで追跡みたいな話になってますが、上手くいくんでしょうか?少なくとも日本人にワクチンが行きわたった状態でないと大量の外国人観光客は受け入れづらいと思いますが…。

 

さて、コロナ感染は止まりませんが、選手のほうは五輪の準備は進めていることでしょう。で、今日のお題はこちら。

www.economist.com

トランスジェンダー女性を女性スポーツでプレイさせることはしばしば不公平だ」というタイトルなんですが、その通りの内容です。

 

ざっくりと訳しますと、世界のラグビーをまとめている団体、ワールドラグビーが、トランスジェンダー女性(自分は女性と感じているんだけど男性として生まれてきてしまった人のこと)の女子ラグビー世界大会への参加を禁じると発表したそうです。国際オリンピック委員会IOC)が、トランス女性の参加を認めているのとは対照的な判断で、画期的と見られているようです。

 

一つ間違うと差別につながってしまう決断ですが、ワールドラグビーは科学者、倫理学者、そしてアスリートや弁護士などすべての意見を聞いて、根拠を明らかにした結論だということです。

 

そもそもほとんどの男性は女性より体格に勝り、足も速く力も強いです。そして男性にはテストステロンという筋肉増強作用があるホルモンが圧倒的に多くあり(調べたところ、女性には男性の5-10%しかないそうです)、これがスポーツにおける男性のアドバンテージを作り出しているわけです。

 

IOCは、血中のテストステロンの抑制ができれば、トランス女性も五輪参加を認めるとしています。しかし、ワールドラグビーは、テストステロンだけが男性優位につながってはいないとしています。そもそもすでにある体力や骨格などは、どうしようもないというのが事実だからです。

 

こういった生物学的な男女の身体的違いがあるため、女性スポーツは男性を排除するために存在しています。トップ選手が出場する国際大会だろうが町の大会だろうが、みんなそうだと。区別がなければ、スポーツ人口の半分は、生物学的に有利な条件を与えられた残り半分のために苦しむことになります。もしテストステロン抑制でその優位性が排除できないのであれば、それは他の女性競技者にとっては不公平としか言えません。

 

トランス女性を支持する人は、多様性を受け入れることでそのような心配に打ち勝つことができるといいます。しかしスポーツはゼロサムゲームであって、多様性を認めることはもろ刃の剣です。トランス女性の女性競技スポーツへの参加を認めれば、本来勝ち取れるはずだった勝利や、チームスポーツであればメンバー入りのチャンスを、他の女性からもぎ取ることにつながることもあり得ます。IOCは最も重要なスポーツの目的は公平な競争と言っていますが、今のルールでは出来かねるのではないかということです。

 

記事によれば、イングランドでは、国内で行われるラグビー大会へのトランス女性の参加はOKとしているとのこと。これは競技の頂点を目指す戦いでは、生物学的女性に生まれてきた人々にフェアであれという判断でしょう。

 

トランス女性アスリートで有名なのは、南アフリカのセメンヤ選手です。

news.yahoo.co.jp

最近の記事ですが、テストステロン値を下げるということ自体でも、もめているようですね。これはIOCもしっかりしてほしいと思います。今後トランス女性が増えればさらに状況は複雑になると思いますね。

 

私は決してトランス女性を差別するつもりはないのですが、やはり肉体の差は、見過ごすわけにはいかないと思います。前回五輪でセメンヤ選手と競った女性選手がつい本音を漏らしたというニュースもありました。

www.huffingtonpost.jp

炎上したようです…。ちょっと言い方は悪かったようですね。でも記事を読んでいるとこの選手の気持ちはわかります。

 

その気持ちをもっと伝えている人もおり、こちらを読むと彼女らの切実な訴えももっともだなと感じてしまいます。

togetter.com

 

多様性がますます重視される今、落としどころを見つけるのは難しいですね。東京五輪には間に合わないかと思いますが、今のルールでは女性アスリートのモチベーションを落とすことにもならないわけで、時間をかけてでも皆が妥協できる案を出し、議論を深めていくべきだと思います。

 

コロナで転職。アマゾン倉庫で働かざるを得なかった人

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TumisuによるPixabayからの画像

11月もあと数日。1年早いなあ。

特に今年はコロナのおかげで、旅行も外食も控え、おうちに籠ることが多かったさみしい年でした。もともと在宅なので仕事のほうは変わりなく、子供らに搾り取られつつも、あまり使うこともなくなったのでちょっと懐具合はいい感じ。仕事がなくなった方々も多いなか、ありがたいことだと思います。

 

で、海の向こうアメリカでもコロナで仕事を失った人は多いようです。本日ご紹介の記事はこちら。

www.wsj.com

アマゾンの倉庫で働く女性のお話です。この方4月にアマゾンの倉庫労働者になりました。49歳、広告代理店で会計の仕事をしていたのですが、3月に解雇されたそうです。ホワイトカラーからブルーカラーへの転職ですが、この先経済が安定するのには時間がかかると読んだ彼女は、より確実にお金が入る仕事を選んだとのこと。

 

倉庫はウィスコンシン州のケノーシャというところにあり、その広さ9万3000平方メートル。調べたところ六本木ヒルズの敷地面積と同じぐらいです。広い…。彼女の仕事は箱積め前の商品の仕分けで、スタート時の時給は15ドル(約1560円)ということ。日本の感覚からすると高給な気もしますが、ビッグマック指数で行くと、アメリカは1個613円、日本は390円ですからね。アメリカ物価高し。加えて通勤手当も福利厚生もないですから、厳しそうです。

 

現在はクリスマスシーズンですので、超繁忙期です。週40時間労働から、現在は55時間に増えているということです。

 

記事によると、彼女の一日は、朝なんと3:15起床。お弁当を作って4:50に家を出て、約50キロの道のりを運転し5:30に会社到着です。マスクを着用し検温を受け職場に入り、5:45に持ち場に付きます。スクリーンに表示された情報に沿って商品を仕分け。約3メートルのエリアで1時間に数百のアイテムを箱から高い棚へと移動させていきます。任務は迅速に箱詰め作業に入れるように商品を正しく棚に載せていく、というこの一点のみだそうです。

 

途中20分の休憩があり、たばことスナックで一息つきます。飲み食いの時間以外はマスクを外すのは禁止で、テーブルも仕切りがあったり歩く場所も制限されているようです。感染対策は厳しそうですね。9:35には業務再開。

 

11:30からは30分のランチタイム。厳しいコロナ感染防止規則と倉庫内の騒音から逃れられる唯一の場所ということで、食事は自分の車の中で取ります。12:00に2つ目のシフトが開始され、もくもくと仕分けを続け14:45にまた20分の休憩。仕事はさらに続きます。

 

17:15に業務は終了し、持ち場の消毒を行った後帰宅。通常1日に仕分けるアイテムの数は2000個以上になるということ。アマゾンではモニタリングシステムがあり、労働者が1時間にいくつのアイテムを仕分けたり箱詰めしたりしたかを記録しているということで、作業中は気が抜けないようです。家に付くのは18:00頃。12時間後には次のシフトが始まるということでした。

 

やはりきつそうですね。日本のアマゾンもそんな感じでしょうか?わが子は夏の間クロネコヤマトの配送センターで仕分けのバイトをしていましたが、たしかに体力はいったけど、カロリー消費してダイエットになりお金ももらえてラッキーだったと喜んでました。期間の決まったバイトだからこんなお気楽なことが言えるのであって、これがずっと続くと思うと厳しいですね。

 

実はアマゾンの倉庫の仕事に関しては以前にこんな記事も書いています。

newsphere.jp

若い人でもきついのに、今、ご老人たちはどうなっているんだろうか?心配です。

 

コロナ禍ということもあり、オンラインショッピングは大変ありがたいのですが、格差社会に着実に貢献しているような気も…。来年コロナが収まったとしても、格差はさらに広がるものと思われます。

 

オバマ回想録誤訳で思い出した、英語の文脈を読むことについて

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Mike BriceによるPixabayからの画像


今、アメリカの会社のお仕事しているのですが、編集者が超のんき者です。締め切り12月頭っていうから、マイブームの「三国志」読書(吉川英治、読ませる~)と「孤独のグルメ」視聴(空腹で見ると即死だからなるべく食後に見てる)で遊んでたら、やっぱ来週にしてだって。前もだったし…。いつも申し訳なさそうに言ってくるので、土日もやれば間に合うかと思ってオッケーを出しました。いい人だけど適当、いや適当だけど悪い人ではないです。

 

で、今ちょっと話題になっているのが、オバマ元大統領が出した回想録のなかでの鳩山元首相に対する表現が誤訳ではないかという件です。記事が出てたんで面白く読ませていただきました。

news.yahoo.co.jp

www.newsweekjapan.jp

 

いくつか誤訳が指摘されているんですが、私が気になったのは"A pleasant if awkward fellow"という表現です。私は最初「いい人だけど付き合いにくい人」と訳しました。上記の記事を読んでいただくとわかるのですが、単語の訳は様々ですが、私の付けたのを基準にすると、「いい人だけど付き合いにくい人」なのか「付き合いにくいけどいい人」なのかということで賛否が分かれたようです。

 

日本のメディアだと、「いい人だけど付き合いにくい人」の訳が多いのですが、それをヤフーの記事の翻訳家の方が、文法的には「付き合いにくいけどいい人」が正しいとされています。前後が逆だと意味が違ってきて、けなしているのではなくポジティブ表現という説明。賛成のコメントが多いですね。私も文法的にはそれで正しいと思います。

 

ところが、下の記事の冷泉さんという方は、文脈から考えるとこれは鳩山氏批判になっていると言われてますね。引用されたところが狭いので、その前後がどうなっているのかはわからないのですが、そういうふうにも取れます。実際当時の鳩山さんの対応に不信感はあったでしょうね。

 

私はいい人というのは「付き合いにくい人」をストレートに伝えない言葉の技法じゃないのかなと思っています。あの人ちょっと付き合いにくいよね?というときに、「あの人ちょっと付き合いにくいよね、でもいい人だよね」というほうが「あの人いい人だけど、ちょっと付き合いにくいよね」より悪口に聞こえませんよね。オバマさんは、かつて大統領だったわけですから、率直に付き合いにくい人だったとかつての首相鳩山さんを表現するのは当然避けたと思います。その辺は頭いいですから。「いい人」を入れて柔らかくするっていうのは、日本語でもよくやると思います。ということで、私は本心「いい人だけど付き合いにくい人」だったのではないかと思います。

 

で、私が思い出したのはある事件。英語のAorB疑問文です。

Are you taking a taxi, or would you like me to give you a ride?

(タクシーに乗りますか、それとも私に送ってほしいですか?)

 

この例文を読んだイギリス人が、この聞き方だと、タクシーに乗ってほしいって暗にいってることになるから、こんな回りくどい聞き方しないと言いまして、例文を作った英語の先生がご機嫌斜めという事件がありました。ほんとに送ってあげる気持ちがあるなら、Let me give you a rideとか、How are you getting back home?  と直にいうはずだということです。なるほどなあ、文法的には正しいけど、行間読むと変じゃない?っていうことなんだと思いました。

 

実は最近のTOEICのテストPart2でも、相手の気持ちを読んだ答えというのが頻出なんです。問題をコピーすると著作権に触れるので、こんな感じという文章を一つ。

 

A:There is a big box in front of the meeting room.

会議室の前に大きな箱が置いてあります。

B:John is coming to pick it up in a minute.

ジョンがすぐ来て持っていくでしょう。

 

この問題は、「会議室の前に箱があります」と言っているAさんが、実は「箱が邪魔だ」と思っていることをBさんが悟って「ジョンがすぐかたずけますから」と答えているわけです。Aさんの発言は単なる事実なんですが、そこに隠れた気持ちを読み取れという問題なのでした。ここで文脈(お気持ち)を読めよという問題で難度を高めているんですね。なかなかTOEICも考えてるなと思います。現実的。

 

ということで、文法だけでなく文脈や行間を読むっていうのが、外国語には大事だと思います。文化的背景なども分からないとなかなか難しいんですけどね。オバマさんの件に関しては、お気持ちは、実際ご本人に聞いてみないと分からないとは思いますが。しかし、日本人って菅さんのトランプメッセージといい今回の件といい、英語の文法議論好きですよね。その割には上達しないのがちょっとね。

 

も~っと抱かれたいっ!オランダ発「牛ハグ」セラピーが人気

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来週から大きな仕事に着手するため、今週は結構怠けて生きている私です。なんか面白いネタはないかなとネットをサーフィンしたところ、見つけましたよ、かわいいニュース。

 

www.bbc.com

 

オランダの健康トレンドとして、「koe knuffelen (牛とハグをする)」というのが出ていました。あら~、コロナで人とハグできないからついに牛に行ったか?と思いきや、10年以上前からあるんだそうです。今やスイスやアメリカにまでも広がっているとのことで、すごい。

 

で、どうするかというと、定番はまず農場ツアー2、3時間参加(長いっ)。でやっと牛のなかの1頭に接してみます。そしてハグすると牛の温かな体温、ゆったりとした心音、そしてデカさのため、信じられないほど心穏やかになるそうです。さらに牛の背中をナデナデし、もたれかかったりなめられたりなど、すべてがもう、セラピー的触れ合いとなるのだとか。ホンマかいな(笑)。

 

牛とのハグは、社会的結合において放出されるオキシトシンというホルモンの増大により、ポジティブさを促進しストレスを減らすと信じられているそうです。この辺ちょっと科学的になってきましたね。ペットやこころのサポートをしてくれる動物とともに丸くなることに心を落ち着ける効果があるらしいんですが、より大きな哺乳類を抱きしめることで強まるのだとか。

 

牛さんのほうも抱擁されることは歓迎だそうです。2007年の研究では、首や背中の上のほうをマッサージされると、伸びをして耳を後ろに下げ深いリラックスのサインを示すらしいです。

 

牛って闘牛のイメージで、近寄ったら蹴っ飛ばされそうな気がしてたんですが、ハグ好きなんですねえ。私動物大好きなので、やってみたいんですが、近くに牛がいない…。ということで、今夜は我が家の小型犬にハグハグで間に合わせたいと思います(犬、めんどくさそうな顔してるけど)。

 

 

 

 

 

 

米大統領選、バイデン氏の大勝にはならなかったわけ

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John HainによるPixabayからの画像

国勢調査も終わりましたので、今日から海外ニュースに戻りたいと思います。

 

で、米大統領選。決まりましたね、バイデンさんに。

スローだとか痴呆症だとかいろいろ噂がありました。確かに歩くのはヨタヨタですが、昨日のスピーチを見た限りでは、しっかりしてました。これまで数字を間違えたりしてましたので、やらかすんじゃないかと心配だったのですが、やはり演説慣れしてますね。なかなかの力強いスピーチでした。

 

しかし、投票前はバイデン氏の勝利確実と予想されていたものの、ふたを開けるとは大勝という感じではありませんでした。これについてアトランティック誌に記事が出ています。パンデミックの不景気にも関わらず、バイデンの地滑り的勝利を招かなかったわけを解説です。

www.theatlantic.com

 

失業率は1年前に比べ倍になり、週に100万人が失業手当を申請し、下院議会は6か月も追加刺激策を通過させるのに失敗している。トランプ氏は戦後最悪の雇用創出を記録した大統領なのに、投票日までは経済にはまずまずの評価がなされ、2016年に比べてトランプ氏の得票はすくなくとも570万票以上増えた。その理由として5つが上げられています。

 

まず、選挙は経済が立ち直りかけているところで行われたこと。有権者は経済の向かう方向を気にするもので、失業率が高くても低下しているほうが、低くて上昇しているときより与党を責めない傾向があるそうです。有権者は、ひどいけど回復している経済と捉えトランプ氏をそれなりに評価したということです。

 

2つ目は、4月に出した1200ドルの給付金です。これに加えて失業保険の支払いなども一時的に増強されており、春夏の壊滅的失業が収入喪失につながらなかったというデータがあるそうです。娯楽や外食も減って医者にもいかなくなったので、結果的に支出が減って手元に残るお金が増えたようです。これにより、共和党の経済政策有効と有権者が判断したとされています。

 

3つ目は、トランプ政権下のコロナ対策の失敗の被害は、実は民主党支持者のほうに多くなっていたこと。民主党支持者の多いハワイやカリフォルニアなどの沿岸部では失業率が高くなっていましたが、内陸部では半分ぐらいだったようです。また、コロナ不景気での失業は、若者、黒人、低所得者という民主党支持に傾きがちな層に過度に多くなっていたということ。年配、白人、高所得者に多いトランプサポーターは比較的被害を免れたと見られています。

 

4つ目ですが、アメリカ人はコロナ禍や不景気で責めるべきはトランプ氏と考えていないらしいです。政策選択がもたらしたというより、天災だと感じているとのこと。10月の世論調査では、半分強の人がトランプ氏のせいだとしていたのですが、リーマンショックに端を発したアメリカの深刻な景気後退の際には実に4人に3人がジョージ・W・ブッシュ元大統領を責めていたということです。トランプ氏自体が死者数の多さや失業の責任を取らず、中国や民主党を責めていましたので、有権者もそれを聞き入れたということのようです。

 

最後は、政治的対立が有権者の経済への認識を変えたことが上げられています。民主党のトランプ氏とその経済マネージメントへの軽蔑が揺らぐことはなく、共和党のトランプ氏への支持が揺らぐこともなかった。支持率も不支持率も異様に安定しており、ひどい不景気やパンデミック下でも変わらなかったということです。民主党は世界を青い眼鏡で見て、共和党は赤い眼鏡で見ていたのであり、今回の選挙では、実際の経済状況の影響は、以前と比べ少なかったのではないかということです。

 

こういったことが2020年はトランプ氏を助けることになったということでした。なかなか鋭い読みかもしれませんね。