UK9報道部

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米大統領選、バイデン氏の大勝にはならなかったわけ

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John HainによるPixabayからの画像

国勢調査も終わりましたので、今日から海外ニュースに戻りたいと思います。

 

で、米大統領選。決まりましたね、バイデンさんに。

スローだとか痴呆症だとかいろいろ噂がありました。確かに歩くのはヨタヨタですが、昨日のスピーチを見た限りでは、しっかりしてました。これまで数字を間違えたりしてましたので、やらかすんじゃないかと心配だったのですが、やはり演説慣れしてますね。なかなかの力強いスピーチでした。

 

しかし、投票前はバイデン氏の勝利確実と予想されていたものの、ふたを開けるとは大勝という感じではありませんでした。これについてアトランティック誌に記事が出ています。パンデミックの不景気にも関わらず、バイデンの地滑り的勝利を招かなかったわけを解説です。

www.theatlantic.com

 

失業率は1年前に比べ倍になり、週に100万人が失業手当を申請し、下院議会は6か月も追加刺激策を通過させるのに失敗している。トランプ氏は戦後最悪の雇用創出を記録した大統領なのに、投票日までは経済にはまずまずの評価がなされ、2016年に比べてトランプ氏の得票はすくなくとも570万票以上増えた。その理由として5つが上げられています。

 

まず、選挙は経済が立ち直りかけているところで行われたこと。有権者は経済の向かう方向を気にするもので、失業率が高くても低下しているほうが、低くて上昇しているときより与党を責めない傾向があるそうです。有権者は、ひどいけど回復している経済と捉えトランプ氏をそれなりに評価したということです。

 

2つ目は、4月に出した1200ドルの給付金です。これに加えて失業保険の支払いなども一時的に増強されており、春夏の壊滅的失業が収入喪失につながらなかったというデータがあるそうです。娯楽や外食も減って医者にもいかなくなったので、結果的に支出が減って手元に残るお金が増えたようです。これにより、共和党の経済政策有効と有権者が判断したとされています。

 

3つ目は、トランプ政権下のコロナ対策の失敗の被害は、実は民主党支持者のほうに多くなっていたこと。民主党支持者の多いハワイやカリフォルニアなどの沿岸部では失業率が高くなっていましたが、内陸部では半分ぐらいだったようです。また、コロナ不景気での失業は、若者、黒人、低所得者という民主党支持に傾きがちな層に過度に多くなっていたということ。年配、白人、高所得者に多いトランプサポーターは比較的被害を免れたと見られています。

 

4つ目ですが、アメリカ人はコロナ禍や不景気で責めるべきはトランプ氏と考えていないらしいです。政策選択がもたらしたというより、天災だと感じているとのこと。10月の世論調査では、半分強の人がトランプ氏のせいだとしていたのですが、リーマンショックに端を発したアメリカの深刻な景気後退の際には実に4人に3人がジョージ・W・ブッシュ元大統領を責めていたということです。トランプ氏自体が死者数の多さや失業の責任を取らず、中国や民主党を責めていましたので、有権者もそれを聞き入れたということのようです。

 

最後は、政治的対立が有権者の経済への認識を変えたことが上げられています。民主党のトランプ氏とその経済マネージメントへの軽蔑が揺らぐことはなく、共和党のトランプ氏への支持が揺らぐこともなかった。支持率も不支持率も異様に安定しており、ひどい不景気やパンデミック下でも変わらなかったということです。民主党は世界を青い眼鏡で見て、共和党は赤い眼鏡で見ていたのであり、今回の選挙では、実際の経済状況の影響は、以前と比べ少なかったのではないかということです。

 

こういったことが2020年はトランプ氏を助けることになったということでした。なかなか鋭い読みかもしれませんね。