UK9報道部

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新型コロナ対策の切り札となるか?血液による抗体検査開発進む

 

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Michal JarmolukによるPixabayからの画像


前回の投稿から約10日で、世界のコロナ事情はすっかり変わってしまいました。舞台は中国から欧米に移ったようで、イタリアやスペインがかなりの被害を出しています。PCR検査が遅れた国々であるアメリカやイギリスも、数週間でイタリア並みの規模に膨れ上がるといわれています。恐ろしすぎる。

 

日本ではPCR検査を感染が疑われる人や濃厚接触者中心に行っているんですが、検査数が少ない割には死者も少なく医療崩壊も起こらずで、世界からも不思議の目で見られていますね(汗)。このまま感染は広がることは確実ですので、なんとか医療機関を圧迫しないでピークを低く抑える戦略が続けられるようにと祈っています。

 

さて、PCR検査は精度があまり高くないことが問題で行わない国もあるのですが、それに代わるテストの情報が報じられています。

www.sciencemag.org

 

私は科学系翻訳者ではないので、至らないところがあるかとは思いますが、ざっと訳します。

 

コロナにかかっていても探知されないケースがあります。症状が軽くてかぜぐらいかなと放っておかれるケースなんですが、この人たちが完治して抗体ができているとすれば、ここから他者への感染は起こりません。

 

ですが、今かかっているかどうかを探知するPCR検査では抗体の確認はできないので、治ってたのかまだかかっていないのかの判断には使えません。一方抗体検査では、今、または過去に羅患していたかどうかがチェックできます。つまり、その人に他を感染される危険があるかどうかがクリアに分かります。

 

世界中でこの抗体検査の開発競争が始まっているとのこと。この検査が実現すれば、実際にどのぐらいの人が感染し、抗体を持っているかわかります。PCR検査数から感染者数を出しても検査した人のみしか対象になっていないので、データとしては不十分のようです。抗体検査なら長期的に行えば、研究者がどのぐらい抗体が持続するのかを理解する助けになり、ワクチンの開発にも役立ちます。また、得たデータにより、ウィルスがどのぐらいのスピードで広がるのかも分かるようになるそうです。

 

さらに良いことは、すでに抗体を持つ人が特定できれば、その人たちは感染することなく患者を扱えるはずですから、感染拡大期において前線となる仕事に投入することができるということです。

 

現在ニューヨークにあるマウントサイナイ医科大学のウィルス学者、フィロリアン・クレマー氏のグループが抗体検査研究の最前線にいるようですが、ニューヨーク自体が深刻な状況にあるため、研究室の仕事もなかなか進めにくいとのこと。ラボ・チームのメンバーは、通勤を避けるように命じられており、徒歩か自転車で出勤できる人のみで研究を進めているということです。

 

抗体検査が利用できるようになれば、少なくとも安全な人は通常通り働けるため、医療だけでなく、経済を回していくことも楽になりそうです。早くできるといいですね。進捗状況の報告が待たれます。

 

追記:なんと日本では、もう塩野義製薬クラボウが抗体検査試薬キットの発売を発表ていました。どちらも中国が開発した「イムノクロマト法」に基づくものだそうです。検査時間は15分でオッケーとのこと。さらに上をいくのもあり、韓国が開発したものは、検査時間10分ということです。すでに増産中とのこと。アメリカ、開発が遅れてるんでしょうか?それとも、特許の関係とかで自国開発を進めてるんでしょうか?ちょっと謎です。

 

日本はPCRばっかりやってるようなんですが、これのほうが早くて使いやすそうですよね。今後使われるんでしょうか?気になります。